ウォリアーズ

トンプソン「まだ存在しないことについて考えるのは、自分自身を苦しめる」

ウォリアーズは4年ぶりのNBA優勝まで、あと1勝に迫っている。

直近8シーズンで6度目となるNBAファイナルの舞台に立っている彼らだが、セルティックスとの第5戦に勝利し王手をかけた直後も、緩めるどころか一層気を引き締めた。

というのも、今シーズンのプレーオフでウォリアーズは、クローズアウトゲームに苦しんでいるからだ。ナゲッツとのファーストラウンドでは3連勝しつつも第4戦を落とし、グリズリーズとのカンファレンスセミファイナルでは第4戦を制して3勝1敗としたが第5戦を落としてしまった。そして、マーベリックスとのカンファレンスファイナルでも3勝0敗と王手をかけて挑んだ第4戦を落とすなど、3勝目を挙げた次の試合をすべて落としている。

指揮官のスティーブ・カーは、クローズアウトゲームに苦しんでいる主な要因を相手チームの生存本能が上回っているからだと分析している。だからこそ、ベテランのアンドレ・イグダーラも「締めのゲームは、僕たちがプレーする中で最も困難な試合だ」と気を引き締めている。

ウォリアーズは第4戦と第5戦に勝利して王手をかけたが、セルティックスにとってプレーオフでの連敗は今回が初めてで、レギュラーシーズンにさかのぼれば、3月下旬以来の連敗となった。

クレイ・トンプソンも「まだ存在しないことについて考えるのは、自分自身を苦しめることになる」と語ると、なんとしてでもホームでの第6戦を勝とうとするセルティックスの勝利への執念を警戒した。「セルティックスが死に物狂いで戦ってくることを分かっている。僕たちが彼らを超えるためには、今シーズン最大の努力をしなければいけない」

ステフィン・カリーもナゲッツとのシリーズ後に、「ゲームを締めくくるために必要な気概を僕たちは忘れてしまっていたのかもしれない」と語っている。そして敵地での第6戦について「今は気持ちの部分でも理解できている」と意気込んだ。「僕たちはどのようにゲームにアプローチする必要があるか、第5戦から第6戦へのゲームプランの調整など、細かいところまで理解している。TDガーデンがどんな感じで、どんなエネルギーを持っているのかを理解して、それに対する準備をする」

今シーズンのウォリアーズは黄金期を築き上げたカリー、トンプソン、ドレイモンド・グリーンがチームを牽引しているが、ジョーダン・プールなど経験が浅い選手も多い。カリーは、この大一番に初めて直面するチームメートたちに、先に語った『ゲームへのアプローチの仕方』、そしてウォリアーズがシーズンを通して体現してきた『目の前の出来事に集中する』ことが重要になるとアドバイスを送った。

「勝つか負けるかの心配をしないでほしい。この48分間が唯一のチャンスなんだ。その瞬間に意識を集中させる。それだけだよ。これが僕からのアドバイスさ。なぜなら、そういう試合は、おそらくキャリアの中で最も難しい試合になるからね」