前半は倍以上取られていたリバウンドを後半では修正
5月28日、琉球ゴールデンキングスと宇都宮ブレックスによるBリーグチャンピオンシップファイナルの第1戦が東京体育館にて開催され、最終クォーターを26-5と圧倒した宇都宮が80-61で勝利した。
この試合、琉球は並里成、宇都宮は喜多川修平がコンディション不良のため欠場した。ともに激しいディフェンスを持ち味とするチームとあって、開始3分間は4-4と重い立ち上がりになった。しかし、その中でも琉球はバックコート陣が積極的にリングにアタックし、シュートは外れても大黒柱のジャック・クーリーがセカンドチャンスポイントに繋げることでリードを奪う。
対して宇都宮は、琉球の固いディフェンスを前にボールムーブが停滞。さらに、ジョシュ・スコットが開始約3分で個人ファウル2つとファウルトラブルに陥った。しかし、代わりに入ったチェイス・フィーラーが3ポイントシュートやインサイドから得点を挙げてチームに貢献する。1ポゼッションを追いかける展開が続いたが、ゾーンディフェンスを敷いたことで流れを変えた。ゾーンで琉球オフェンスのリズムを乱して、アーリーオフェンスを仕掛けていく。相変わらず琉球のハードな守備には苦戦したが、スクリーンをしっかりとヒットさせてシュートチャンスを作り出すことで、遠藤祐亮が連続で3ポイントシュートを沈めて宇都宮が逆転した。
前半は琉球がリバウンドを23-12(オフェンスリバウンド11-2)、セカンドチャンスポイント10-0としたようにインサイドを支配した。対する宇都宮は3ポイントシュートを高確率で沈めるなど、対照的な得点の取り方となった。
琉球の3点ビハインド(35-38)で迎えた後半、コー・フリッピンがペイントアタックからクーリーのダンクをお膳立てする。さらに、前半はアシストが多かった今村佳太が後半になると得点にも絡みだし、今村のフローターにより開始2分で琉球が逆転。その後は、一進一退の時間が続いたが、個人ファウル3つでベンチに下がった岸本隆一に代わって入った小野寺祥太や今村の3ポイントシュートが決まり、琉球が5点のリードを奪った。しかし、その後、ディフェンスを引き締めた宇都宮の踏ん張りもあり、56-54と点差を詰められて最終クォーターへ。
第3クォーター終盤の勢いを繋げたのは宇都宮だった。比江島慎が緩急つけたドライブから3点プレーとなるバスケット・カウントを決めて、開始1分で逆転。さらに、守備のギアを一段上げた宇都宮は、小野寺のキックアウトパスを読んでいたテーブスがスティールからの速攻に持ち込み、フィーラーがファウルをもらってフリースローを獲得。また、前半の課題を修正した宇都宮は、クーリーにオフェンスリバウンドを取らせず、琉球にリズムを与えない。チームでハードなディフェンスを行い、オフェンスは比江島を中心に組み立てて後半の開始5分間を13-2と圧倒して、67-58でオフィシャルタイムアウトを迎えた。第4クォーター開始3分の時点でチームファウルが5つになっていた琉球から、その後も宇都宮はファウルを誘発してフリースローを獲得。最終クォーターを26-5と圧倒して、大事なシリーズ初戦を制した。
宇都宮はフィーラーが19得点12リバウンド、スコットが18得点5リバウンド、比江島がフリースロー7本すべて成功を含む17得点4アシスト2スティールを記録した。また、前半は12-23と倍以上取られていたリバウンドも、後半は23-22と上回ったことで自分たちのペースに持ちこんだ。