文・写真=鈴木栄一

逆転に次ぐ逆転、最後はギブソンが決勝点を挙げる

11月6日、大阪エヴェッサが敵地で琉球ゴールデンキングスと対戦。試合終了間際、エクゼビア・ギブソンが決勝のシュートを沈め、86-85で最後までもつれた激戦を制した。これで大阪は96-57と圧勝した前日に続いて琉球を撃破。この結果、両チームとも7勝7敗の勝率5割となっている。

大阪は、試合開始から8得点を連取と幸先の良いスタートを切る。しかし、その後は前日の雪辱を期すインサイドに積極的なアタックを仕掛ける琉球のオフェンスを止められず、第3クォーターを終え56-67と2桁のリードを許してしまう。

それでも第4クォーターに入ると、ギブソン、ジョシュ・ハレルソンの外国籍コンビに加え、今野翔太が要所で得点し反撃をスタート。残り1分半でも5点を追いかける苦境だったが、残り1分からギブソン、ハレルソンの連続3ポイントシュートで残り31秒にはついに逆転。残り4秒に金城茂之に決められ再逆転を許すが、残り1秒でゴール下へとアタックしたギブソンが決勝シュートを沈め、勝負を決めた。

大阪の桶谷大ヘッドコーチは、今日の試合を次のように総括した。「出だしで自分たちのマンツーマンディフェンスにうまく対応され、守りきれずにファウルがかさんでしまった。後半、ゾーンディフェンスでキングスの足を止めようとして、第3クォーターは効かなかったのですが、第4クォーターから少しずつ効果が出てきました。キングスの足が止まってからは自分たちの速攻が出るようになり、我慢して勝ち切れることができました」

「一番良かったのは昨日と違う勝ち方ができたこと」と桶谷ヘッドコーチは続ける。「今季ここまでなかった、このようなしびれるゲームに勝てたのは若いメンバーが多いチームにとって大きい。とても自信になる試合でした」と収穫を述べた。

桶谷ヘッドコーチは古巣の琉球相手に初の2連勝

この試合、大阪は日本人パワーフォワードの中心である根来新之助が前日の負傷により欠場。その穴をスモールフォワード、シューティングガードが本職である今野翔太が堅実なプレーでしっかり埋める。また、「若手のファウルがかさむ中、ポイントガードと翔太に助けられました」と指揮官は、23得点のハレルソン、21得点のギブソンに加え、今野、木下博之、綿貫瞬の司令塔とベテランの働きが大きかったと振り返っている。

桶谷ヘッドコーチと言えば、かつて琉球で指揮を取り、チームを2度のbjリーグ制覇に導いている。その後も岩手ビッグブルズや大阪を率いて琉球とは何度も対戦してきたが、レギュラーシーズンではいつも2連戦を1勝1敗で終えており、彼にとって今回は古巣相手には初の連勝となる。

「これまでの試合は全部覚えています。ただ、(昨季プレーオフで連敗しているので)これでタイになったという意識です」と桶谷ヘッドコーチは言う。「キングスとの試合はいつも気持ちが高ぶります。キングスとの試合はいつも僕にとってチャレンジであり、成長させてくれる相手です」とあらためて敬意を示している。

一方、これで3連敗となった琉球の伊佐勉ヘッドコーチは、「ディフェンスのやり方を変えたことで歯車が狂ってしまった。自分の采配のせいでこの結果になってしまいました。ターンオーバーをなくさないと勝てる試合も落としてしまいます」と反省の弁。

それでも「ここまでやってきた自分たちのバスケを変えるつもりはないです。互いを信じあい、精度を上げていくだけです」と、これからの立て直しに向け、琉球が昨季から継続している『人とボールをどんどん動かすスタイル』をブレずに貫くと強調している。