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エンビードが躍動するも終盤に失速、1勝が遠いシクサーズ

リーグ首位と最下位の戦いとなったキャバリアーズとセブンティーシクサーズの試合は、キャブズが格下相手に大苦戦しながらも薄氷の勝利を収めた。

キャブズは第1クォーター終盤にリチャード・ジェファーソンの3点プレーとなるバスケット・カウントで逆転に成功すると、そこから素早いトランジションで16-0のランを決め34-19と一気にリードを奪った。そのまま試合巧者のキャブズがリードを広げ力の差を見せつけるかと思いきや、軽率なターンオーバーからリズムを崩し、大苦戦を強いられる。

シクサーズのジョエル・エンビードが4本の3ポイントシュートを沈め、ジャリル・オカフォーがペイントエリアで奮闘。リードを縮められてしまう。ただ、シクサーズもアップダウンの激しい出来。両チームともターンオーバーから連続得点、連続失点を繰り返す大規模なランの応酬となった。

最終クォーター残り10分、オカファーが1対1からジャンプショットを沈め、第1クォーター以来のリードを奪う。その後、一進一退の展開となり終盤を迎えた。

キャブズはレブロン・ジェームズがダンクと3ポイントシュートで得点を重ねた。ここにきてレブロンの1対1を止められないシクサーズは、ダブルチームでレブロンを包囲する。

しかし、リーグ屈指のオールラウンダーは自分にマークを引きつけ、ノーマークの味方へパスを供給して打開していく。レブロンのパスからJR・スミスとチャニング・フライがそれぞれ3ポイントシュートを沈めて102-101と逆転に成功。

こうなれば接戦に強い王者のペース。残り時間1分を、エンビードで攻めたいシクサーズに対しパスを入れさせず、強固なディフェンスで得点を許さない。

残り時間7秒、シクサーズボールのポゼッション、ジェラルド・ヘンダーソンがパスコースを探すがパスを出せず、自らドライブを仕掛ける。しかし、苦し紛れの強攻にJR・スミスが冷静に対応、ボールをスティールしそのまま試合終了となった。

レブロンを起点にした攻撃が終盤に効果を発揮。シクサーズは最後の2分30秒で無得点に終わり、終盤の戦い方の差が勝敗を分けた。

レブロンは25得点8リバウンド14アシストと上々の数字を残したが、5ターンオーバーを犯し相手につけいる隙を与えたのも事実であった。決勝点を上げたフライもベンチから4本の3ポイントシュートを沈め勝利に貢献した。

シクサーズはエンビートが22得点4ブロックと大器の片鱗を見せたが、6ターンオーバーとまだ荒削りな内容となった。

これで開幕からキャブスは6連勝、シクサーズは5連敗と対照的な結果となった。王者は今回の勝利で兜の緒を締めなおすきっかけとなった。もっともシクサーズにも収穫はある。キャブズと接戦を演じたことは自信になるはずで、浮上のきっかけになりそうだ。