渡邊雄太

写真=Getty Images

クリス・ポールとのマッチアップも実現

グリズリーズのプレシーズンマッチ最終戦は、ホームのフェデックス・フォーラムでのロケッツ戦。優勝候補のロケッツも仕上げ段階に入っており、実力差は明確。グリズリーズは前半から大量ビハインドを背負い、103-121で敗れた。

注目の渡邊雄太が投入されたのは第4クォーター残り9分を過ぎたところ、83-103の場面。最初のプレーでクリス・ポールがゴール下に入れようとする浮かせたパスをジャンプ一番でカット。ここではNBAトップスターであるポールから一本取った渡邊だが、その直後に1on1でマッチアップする機会が訪れる。ここではポールが『らしさ』を見せる。ゆっくりとボールを動かして渡邊の動きを読み、3ポイントラインの外でシューティングファウルを誘った。

ここでポールはフリースローを3本すべて成功させ、ジェームズ・ハーデンとともにお役御免でベンチに下がる。もう少し時間があればハーデンとのマッチアップも見られそうだったが、それはレギュラーシーズンまでお預けとなった。

早々に勝敗が決して主力が下がった試合は盛り上がりを欠き、両チームともにミスが目立つ。渡邊も自らドライブで仕掛けて外を狙ったパスが相手に渡りターンオーバーを記録した。

それでもラスト1分を切って、渡邊が見せ場を作る。強引なドライブで仕掛ける相手をしっかり見て完璧なブロックショットを成功させると、続いてはコート外に出ようとするルーズボールにダイブして味方につなぐ。試合は締まらない展開だったが、渡邊は自らのプレーで自分に火をつけ、ラストプレーでドライブからコンタクトを受けつつジャンプシュートを沈め、得点を記録。

9分間の出場で2得点2リバウンド1スティール2ブロック(ターンオーバー2つ)は十分なアピールとなったはず。18日のレギュラーシーズン開幕戦でベンチ入りできるかどうかは未知数だが、渡邊はNBAデビューへの道をまた一歩進んだと言える。