橋本竜馬

文・写真=鈴木栄一

「ディテールにこだわり、アグレッシブさを失わずに」

10月12日、琉球ゴールデンキングスは名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのホーム開幕戦を88-87で制した。この試合、勝敗に大きな影響を与えたポイントが第3クォーター中盤にあった。開始直後からリードを保ち続けてきた琉球が、ターンオーバーからの失点から崩れ、名古屋Dに連続10得点を献上し49-51と逆転されたシーンだ。

この危機からチームを救ったのが橋本竜馬だ。逆転された直後、並里成と交代でコートに入ると、琉球はジョシュ・スコットの得点で追いつき、橋本の3ポイントシュートで勝ち越す。さらに橋本がスティールから速攻を決めると名古屋Dはたまらずタイムアウトを取った。

勝利の立役者となった橋本は「初めてにしてはタフなゲームで、運に恵まれたところではありますが、勝てて良かったです」と試合を総括する。そして冒頭で触れた第3クォーターの交代直後の活躍については「チームとして成に助けられる部分が多かったので、自分としても彼を助けたい。ちょっと試合がバタバタしていると思ったので、少し落ち着かせてインサイドを攻め、時には自分がシュートを狙いながら、ということを意識しました」と語る。

自身も11得点を挙げるなど、好調だったオフェンスに関しては「まだ、佐々(宜央)ヘッドコーチが考えているところには達していないです。ただ、選手一人ひとりがシュートを打ちに行っている。打てるところでみんながしっかり自分のシュートを打っているのは良いこと。もっと細かいディテールにこだわっていきながら、アグレッシブさを失わずにいきたい」と見ている。

橋本竜馬

「チームメートを鼓舞し、ファンの皆さんを巻き込んでいく」

橋本は攻撃面に加え、タフな守備にハッスルプレーと彼らしさを琉球のファンにしっかりとアピールすることに成功した。「これだけの選手が集まっていて、皆さんから注目されている中でキャラクターを出すことは大切です。今日見ていただいた方に、橋本竜馬ってどんな選手なのか少しは分かっていただけたと思います。そういうところでは今日は自分自身に合格点をあげたいと思いますが、でも『これだけではないぞ』と思っているので、また違った面を見せつつ、良い面は継続していきたいです」と振り返る。

さらに自身が表現していきたい部分について続ける。「プレシーズンの時は少し迷いながら、どうやったら貢献できるのか探り探りの部分もありました。しかし、開幕節の秋田戦を終えて自分のキャラ、特徴は何なのかを問いただした時、ディフェンスからのハッスル、チームメートを鼓舞しファンの皆さんを巻き込んでいくことが自分の良さではないかと。そういった意味では良い状況で来ているので、しっかり続けていきながら自分自身を磨いていきたいです」

上々のホームデビュー戦となった橋本だが、連勝に向けて気の緩みはない。本日の2戦目に向けては「キングスとしては失点を抑えたい。なぜやられたかをスカウティングして、僕たちはそれを徹底してやる。その遂行力を見せることが大事です。今日よりも良いディフェンスをしたいです」と守備の立て直しに意欲を見せる。琉球が開幕からの連勝を伸ばすためには、今日も橋本の『らしさ全開』のプレーが必要だ。