富樫勇樹

文・写真=鈴木栄一

2試合とも2桁得点も「うまくプレーできなかった」

B1先出し試合を含めた開幕2連戦、千葉ジェッツはホームでの川崎ブレイブサンダース戦で痛恨の連敗を喫してしまった。ニック・ファジーカスが欠場した川崎に対しインサイドで優位に立つことはできず。それ以上に、千葉の得意とするトランジションオフェンスが不発に終わったことが響いての連敗だった。

千葉のエースである富樫勇樹は、前半に最大21点の大量リードを奪いながら、そこから攻守ともに隙を見せてしまったことでまさかの逆転負けとなった第2戦を次のように総括する。

「第3クォーター出だしの部分で一気に追いつかれるというのは、あってはならないこと。川崎はやはり経験があり力のあるチームなので、そこから再び離すというのは難しいです。第3クォーターの出だしが一番の問題だったと思います」

この2試合、富樫個人としては日本代表の活動でプレシーズンの準備期間の多くをチームから離れていたことによる連携不足を実感することになった。「まだまだお互いを理解できていない、システム自体を理解していない部分が多いです。この点に関して言うと練習になかなか参加できなかったので、足を引っ張ってしまいました。プレシーズンなどで今までチームが作ってきた流れの中で、コートにいた他の4人と一緒にうまくプレーできなかったとちょっと思っています。これは試合を重ねていくしかないのかなという感じです」

富樫勇樹

「どういう形であれ、決めきれないのが悪い」

富樫個人のパフォーマンスでは、2試合続けて2桁得点とノルマは果たした。また6日の試合では第4クォーターの競り合いの中で、体勢が崩れながらのレイアップを沈めてのバスケット・カウントなど、ビッグプレーを決めて見せ場を作った。

それでも本人は、パスの供給に重きを置く代表と、自ら積極的に仕掛けていく千葉と役割の違いへのアジャストは「全然できていないですね」と厳しい自己評価だ。「代表でのプレーでのリズムやタイミングと、自分が打つところと打たないところの判断が違うところで、ちょっと戸惑いじゃないですけど、迷いがある状況ではあるかなと。そこをしっかりマインドセットしないことには良い結果には繋がらないと思います」

2点差を追う終了間際に放った、決まれば逆転となる3ポイントシュートについては「もうちょっと違うプレーを描いていましたが、そこが空かずに結果ああいう1対1になってしまいました。でも、どういう形であれ、決めきれないのが悪いので、完全に自分の責任」と言う。

このように課題ばかりを感じる開幕節となったが、一方で課題の克服に何が必要なのかは明確に把握している。「練習時間もそうですし、一緒にいたりする期間が長ければ長いほど、チームが良くなっていくとことを毎年感じています。一つひとつの練習、試合を重ねていくことで1歩ずつ成長していきたいなと思います」

わずかではあるかもしれないが、チームでの活動を重ねることで、先週末に比べ周囲との連携、チーム戦術への理解は深まっている。その成果を、勝利という結果で証明したいところ。幸いにも千葉は開幕から2節続けてのホームゲームで、この週末は三遠ネオフェニックスを迎え撃つ。