地区首位決戦の初戦、自分たちが目指すべきバスケをしっかり体現して勝利
4月23日、琉球ゴールデンキングスは島根スサノオマジックとの西地区首位対決の1試合目を93-82で制し、5年連続となる地区タイトルを獲得した。桶谷大ヘッドコーチは、内容にも手応えを得た試合だったと振り返る。
「今日は西地区1位と2位の戦いで、どれだけ自分たちがチャンピオンシップのようにプレーできるのか。出だしであり、ワンポゼッションの重要さを話して今日の試合に臨みました。そこで自分たちが目指すべきバスケットボールを選手たちが最初からしっかり体現しようとしてくれたと思います。もちろん100%ではなかったですし、オープンショットを何本か打たれるシーンはありました。そこをしっかりフォーカスしていきたいです」
特に桶谷ヘッドコーチは、40-27とリバウンド争いを制したことを高く評価している。「敗れる時はいつもリバウンドで負けていますが、今日に関しては3ビッグの時間帯でリバウンドを簡単に取られず、セカンドチャンスを与えないことで主導権を取れました。オフェンスは良いシュートで終わることを徹底できていたと思います」
bjリーグ時代にも指揮を執っており、今シーズン9年ぶりの琉球復帰となった指揮官にとって地区5連覇は「これで満足はできない。日本一がみんなの思いでそこに向かってシフトチェンジをしていきたいです」と話すように、通過点に過ぎない。とはいえ、就任1年目で連覇の記録を継続できたことへの安堵もある。
「歴代のコーチ、選手、スタッフがキングスの伝統を作ってくれました。ファンの皆さんもホームで強いキングスを作り上げてくれています。プレッシャーもありましたが、みんなと一緒に地区優勝をつかめたのは素晴らしいことです」
更なるチーム力アップへ「チャンピオンシップに向けて3ビッグの時間も増やす」
また、指揮官は一つずつステップを踏んでいくことで、最終的なゴールであるリーグ制覇に到達できると考えている。「通過点にある小さい目標を達成していかないと、最終的な大きな目標に向かえないと思っています。まずはチャンピオンシップに出る。そして西地区優勝でホームコートアドバンテージを得ることは僕たちにとって重要なこと。こうして順を追っていくことで初めてファイナルに行けると思います」
現在、琉球は44勝5敗と圧倒的な成績を残しているが、「これは勝てたよねという試合も、これでよく勝てたという試合もありました」と振り返り、何よりも選手たちの奮闘ぶりを称える。「ここまで勝ち運に恵まれているという言い方をするのは良くないと思います。運を味方につけるくらい自分たちのやるべきことをコントロールしてやってくれています」
観客制限が解除され8000人規模で収容できる沖縄アリーナでのチャンピオンシップ開催決定となり、「間違いなくキングスのブースターさんは日本一だと思っています」と指揮官が信頼するファンの大きな後押しを得られるのは、琉球にとって悲願のファイナル出場を達成するために何としても成し遂げたいミッションだった。これをクリアした今、レギュラーシーズンの残り試合はいろいろなことをより試しやすくなる。その1つが、ドウェイン・エバンス、アレン・ダーラム、小寺ハミルトンゲイリーを同時起用する3ビッグの経験値を増やすことだ。「チャンピオンシップに向けて3ビッグの時間も増やす。3人だけでなく、ガード陣もフィットしていかないといけない。そこは試しながら成長していきたいです」
また、今後はリーグ全体の勝率1位、その先にあるリーグ最高勝率の記録更新も期待がかかる状況であるが、指揮官は「鋭いところを突いてほしくなかったというところです(笑)。答えたくないのが答えです」と語る。「僕たちが戦いやすい場所にいることが一番重要なので、そこは目指していきたいです」と、ベストな状態でチャンピオンシップを迎えることを何よりも重視する。今日から琉球にとって新たなチャレンジが始まっていく。