シーホース三河

機動力重視の結果、守備の強度が増しトランジションが機能

ワイルドカードを争う、秋田ノーザンハピネッツvsシーホース三河の直接対決は、機動力を重視したラインナップが大いに機能し、最終クォーターの5分で19-4と走った三河が93-84で勝利した。

最初に主導権を握ったのはホームの秋田。ボールマンにプレッシャーをかけつつ、パスの受け手に対してはディナイで守ることで、簡単にオフェンスをエントリーさせない。また、ダバンテ・ガードナーにダブルチームを仕掛けて苦し紛れのパスをカットするなど、ディフェンスが機能し、第1クォーターだけで5つのターンオーバーを誘発した。

攻めてはアレックス・デイビスがインサイドで力を発揮し、ジョーダン・グリンが3ポイントシュートを沈めて先行した。しかし、三河は細谷将司と西田優大がタフな3ポイントシュートを成功させて繋ぐと、ガードナーが個で打開して反撃。途中出場の長野誠史が2度オフェンスファウルを誘発するなどディフェンスも機能し始め、長野のドライブで締めた三河が18-17と逆転して第1クォーターを終えた。

第2クォーターに入ると、ガードナーにゲームメークを託した三河のペースに。ガードナーがボールを運ぶことで秋田のプレッシャーディフェンスを無効化し、さらにガードナーはオフボールの動きからノーマークになった選手へ正確なパスを通してイージーシュートを演出した。さらにダブルチームに来た際にも落ち着いてパスをさばき、オフェンス有利な状況を作り出す。トラップをかわし、エクストラパスから柏木真介が確実にコーナースリーを沈め、12点をリードしてオフィシャルタイムアウトを迎えた。その後もガードナーが上手く試合をコントロールし、10点リードで試合を折り返した。

ディフェンスからリズムを作れない秋田は、10点ビハインドで後半を迎えた。それでも、ペイントアタックが増え、要所でセカンドチャンスポイントを獲得した秋田が第3クォーターに反撃を開始。ガードナーにタフショットを打たせる場面が増え、彼の得点を最小限に留めると、前半は23.1%と低調に終わった3ポイントシュートにも当たりが出始める。そして、オフェンスリバウンドからグリン、古川の連続3ポイントシュートに繋げる10-0のランで一気に同点に追いついた。

その後は一進一退の攻防が続いたが、最終クォーターに入ると機動力を重視したラインナップが機能した三河の時間が訪れる。ガードナーとシェーファー・アヴィ幸樹を下げ、アンソニー・ローレンス二世とジェロード・ユトフを並べることで機動力が大幅にアップ。素早いローテーションでズレを作らせないだけでなく、ボールマンへのプレッシャーも向上し、連続でターンオーバーを誘発。さらにそこからユトフが速攻のフィニッシャーとなるトランジションが大いに機能した。こうして9本すべてのフィールドゴールを成功させた三河が約5分で19-4と一気に走った。

その後、前線からのプレッシャーディフェンスにハマり、連続で3ポイントシュートを許し、残り1分23秒に9点差にまで迫られたが、直後に西田が3ポイントシュートを沈めてセーフティーリードを保ち、そのまま逃げ切った。

直接対決を制した三河は24勝19敗とし、ワイルドカード2位の秋田とのゲーム差を2に縮めた。