ヤングのゲームメーク力の上手さが際立つ展開に
ホークス(9位)とホーネッツ(10位)の対戦となったプレーイン・トーナメントは、お互いの積極的な姿勢が目立つ試合となりました。プルアップ3ポイントシュートやトランジションなど、強気な姿勢を崩さなかった両チームですが、昨シーズンのプレーオフでで手に入れた経験値によって、ホークスが132-103で上回りました。
前半はホーネッツの狙いが裏目に出てしまいました。テリー・ロジアーがディフェンスの悪いトレイ・ヤングを狙って積極的に仕掛けるもシュートミスが続き、スモールラインナップでトランジションアタックを仕掛けてもフィニッシュの精度を欠いてしまいました。また、ヤングを止めることを意識したディフェンスは成功したものの、意識しすぎていたため、ケビン・ハーターやダニーロ・ガリナリがオープンになってしまい、ヤング以外の選手に決められ続けてしまいました。
ヤングはシュートが決まらず、苦しい前半でしたが、ディフェンスの動きを見て冷静にパスを回していきました。それも明確なダブルチームに来るディフェンダーだけでなく、ヘルプのポジショニングによってプレーチョイスを変えており、ホーネッツの守り方を逆手に取るゲームメークの上手さを見せました。
後半になるとホーネッツは過度にヤングへヘルプに行く形をやめますが、するとヤングは1on1からのプルアップ3ポイントシュートやドライブからのフローターで加点します。また、コディ・マーティンのハードなディフェンスが厄介と見るや、自らはスペーサーとしてコートを広く保ち、センターとのマッチアップが増えたディアンドレ・ハンターの連続得点に繋げていきました。
一方でホーネッツのオフェンスはアウトサイド一辺倒となった前半の反省からドライブを増やしたまでは良かったものの、今度はドライブばかりで効果的な3ポイントシュートへと展開することが出来ませんでした。それ以上に、ロジアーとラメロ・ボールのガードコンビのシュートアテンプトがチームの半分を超えるなど(90本中47本)、2人ばかりがシュートに行ってしまい、本来の持ち味であるバランスの良いオフェンスになりませんでした。内容的には様々な狙いが交錯していたものの、相手の出方に対するリアクションや試合展開に応じて変化をつけるゲームメーク力には大きな差がありました。
これでホーネッツは2年続けて大味なプレーインとなってしまっており、緊迫した試合での戦い方に課題があるのは明らかです。本来はシーズンを通して成長したかった部分でしたが、積極的すぎるガードコンビのデメリットをカバーするだけの要素を付け加えることが出来ませんでした。
ホークスはキャブスとの試合に進みますが、ネッツとの試合でキャブスも若さを見せてしまっただけに、この試合のように落ち着いた対処をしていきたいところです。ホーネッツとは全くタイプの違う相手だけに戦い方は大きく変える必要はありますが、期待を抱きたくなるパフォーマンスを見せてくれました。