ジョエル・エンビード

写真=Getty Images

「10分でファウルアウトに追い込めた」

2018年のドラフト全体6位でマジックから指名されたモハメド・バンバが、プレシーズンデビュー戦でNBAの洗礼を受けた。世界最高峰のリーグの厳しさをルーキーに叩き込んだのは、バンバがプロ入りする前から交流がある、セブンティシクサーズのジョエル・エンビードだった。

10月1日にウェルズ・ファーゴ・センターで行なわれたプレシーズンゲームで、エンビードはバンバと第1クォーター終盤にマッチアップ。まずはドライブからフィンガーロールレイアップを決めた際にファウルを誘うと、直後のプレーでもバンバはエンビードへのファウルをコールされてしまう。だが、やられてばかりいるわけではない。第2クォーター序盤には、エバン・フォーニエからのパスを受けてアタックし、エンビード越しにレイアップを決めてみせた。

結果、エンビードは24分の出場で21得点7リバウンド2アシスト、バンバは18分の出場で12得点3リバウンド2アシストを記録。1対1では完全に経験値の差が見られたものの、柔らかなシュートタッチから放った3ポイントシュート2本を成功させるなど、バンバも上々のパフォーマンスを披露した。

試合後エンビードは、「彼は華奢で、俺をガードなんて出来ない。8分くらいで4回もファウルをコールされていた。俺があれ以上プレーしなくてラッキーだったよ。そうじゃなかったら、10分でファウルアウトに追い込めた」とコメント。上位指名のルーキーに厳しい評価を与えたものの、エンビードは、ドラフト前から一緒にワークアウトしていた『弟分』の才能を称賛している。

「彼のポテンシャルは高い。これからも、彼があるべき姿に成長できるように力になるつもりだよ。アイツなら、すごく良い選手になれる」

バンバ自身も落ち込むことなく「まだまだレベルアップできる」と、この日の経験を前向きに受け止めている。「今日のプレーで良かったのは、ショットフェイクに引っかからなかったこと。数カ月前は、コート中で飛びまくっていたからね」と語った。

ドラフトコンバイン史上最長のウィングスパン(239cm)を誇るバンバは、NBAトップクラスのインサイドディフェンダーになれる才能を備えている。1年目の今シーズンは、この日のように経験豊富な選手たちに翻弄される姿が想像できるが、それも成長の糧でしかない。近い将来、NBAを代表するビッグマンになって、エンビードを完封できれば、それが最高の恩返しになるはずだ。