カーメロ・アンソニー

写真=Getty Images

ハーデン、ポールとのケミストリーに注目

このオフにロケッツに移籍したカーメロ・アンソニーは、フレッシュな気持ちで新シーズンを迎えようとしている。

サンダーでの昨シーズンは、彼にとって苦しい1年だった。キャリア初の3番手というポジションへの対応に苦しみ、平均得点はキャリア最低の16.2得点にとどまった。シーズン終盤からはベンチ起用という案も噂された。だがそれを頑なに拒み、プレーオフ・ファーストラウンドでジャズに敗れた後も「ベンチ出場なんてあり得ない」と一蹴した。そしてオフにホークスにトレードされたカーメロは、その後バイアウトを経て、ロケッツと契約を結んだ。

カーメロは、サンダーに在籍した昨シーズン中、耳に入ってくる周囲の声をブロックする必要があったと、『Boston Herald』に語った。「周りは自分のことを『ストレッチ4』と言ったり、ベンチ起用にすべきと言ったり、ラス(ラッセル・ウェストブルック)に全て任せるべきと言ったり。そういう話を聞かないようにして、考えないようにしないといけなかった」

「自分の話をする連中は、僕のことを知らない。会って話をしたこともなかった。彼らに僕の考えなんて分かるわけがない。それなのに、『彼はきっとこう考えている』、『彼は今こうすべき』とか言っていて、聞いていて愉快だった」

起用法については今も議論されているが、カーメロはロケッツの優勝に力を貸すために移籍を決めた。サンダーでの1年は過去のものにして、彼はバスケットボールを楽しみたいと話す。

「バスケットボールを楽しむだけ。もう何年もやってきたし、まだプレーできる。バスケットボールは、やっぱり楽しくないといけないよ」

サンダーの在籍時と異なるのは、ロケッツの中心であるジェームズ・ハーデンとクリス・ポールが、カーメロを生かす方法を心得ていることだ。「彼らは、自分がこのチームで出来ること、チーム内の役割を描いてくれている。だから僕を加えるのは簡単だったんだ。『ここに動いてもらいたい』、『こういう仕事をしてもらいたい』という感じだったから、すぐに馴染めた」と、カーメロは言う。

10月2日のプレシーズンゲーム、グリズリーズ戦を前に指揮官のマイク・ダントーニは、カーメロを含む連携を楽しみにしていると話した。

ニックス時代を含め、ここ数年はバスケットボールを楽しめる環境ではなかったかもしれない。心機一転して迎える16年目のシーズンこそ、コート上で躍動するカーメロを見たい。