ルーク・エヴァンス

4試合連続先発起用、最長のプレータイムで奮闘

ワールドカップアジア地区予選のWindow2でオーストラリアに挑んだ日本は後半に失速し64-80で敗れた。

第2クォーターには富樫勇樹と谷口大智による連続3ポイントシュートにより一時逆転に成功するなど、日本は世界ランキング3位のオーストラリアに必死に食らいついていった。その結果、第2クォーターは26-20と上回り、前半を2点ビハインドで終えた。先発センターのルーク・エヴァンスも「第2クォーターはチーム全体が走って、良いボールムーブメントができていました。チームが目指すオフェンスがそのままできていたんじゃないかと思います」と振り返った。

しかし、後半に入ると、フィジカルなオーストラリアディフェンスを突破できず、ボールムーブメントは停滞し、外一辺倒となってリズムを失ったシュートは弾かれ続けた。そして、Bリーグでも活躍するニック・ケイやアンガス・ブラントらのパワフルなインサイドアタックを止められずに、そのまま大差をつけられて敗れた。

エヴァンスは「後半は体力切れだったこともありますし、オーストラリアがハーフタイムでかなり調整をしてきて、それにアジャストできなかったです。最初の20分は良かったと思いますが20分とは言わず、試合全体を通してできるようにしていかないといけません」と悔やんだ。

エヴァンスは「フィジカルにリバウンドを取ること。オフェンスではオープンショットを決めて、しっかりゴールにアタックすることの2点を意識してやっています」と言い、自身の役割を理解している。この試合では富樫に次ぐ11得点に加え、6リバウンド2アシストを記録した。初勝利を挙げた前日のチャイニーズ・タイペイ戦でもチーム最長の35分間プレーし、17得点12リバウンド4アシストを挙げ、今回の試合でも最長となる28分間コートに立ち続けた。トム・ホーバス体制になってから4試合連続で先発起用され、プレータイムも最長と、指揮官の信頼を得ているように映る。

それでもエヴァンスは「4試合連続スタートですが、中国戦を終えて、まだチームとして短いキャンプをやっただけですし、コーチもまだみんなの役割を調整している段階だと思います」と語った。彼が謙虚な姿勢を崩さないのはニック・ファジーカスやライアン・ロシター、ギャビン・エドワーズなど、実績のある帰化選手が招集されていないことを気にしているからだろう。

それでも、ホーバスコーチのシステムはBリーグの多くのチームが採用するそれと異なり、ほとんどの選手が慣れるために多くの時間を要すると言う。そのため、一番長い間ホーバスのシステムを体験しているエヴァンスの経験値はライバルたちとの競争の中で大きなアドバンテージとなるはずだ。

ホーバス新体制でワールドカップアジア地区予選を戦っている日本はここまで1勝3敗と負け越している。個々のスキルアップやチームの成熟度を上げていかなければ、世界と対等に戦えないことは分かっている。それでも、結果を出し続けているエヴァンスが計算できる選手となったことは大きな収穫と言える。