モンテ・モリス

土壇場でナゲッツが逆転勝利「NBAでゲームウィナーを決めたのは初めて」

ウォリアーズにとってはNBAオールスターを前にした最後のゲーム。ホームで勝利して中断期間を迎えるシナリオは着々と進んでいた。ナゲッツのニコラ・ヨキッチに35得点を奪われながらも、ステフィン・カリーを中心としたチームバスケットで対抗。カリーの3ポイントシュートは7本中1本と本来のタッチではなかったが、彼が25得点でオフェンスを引っ張ることで、ゲームを通じてウォリアーズがリードする展開だった。

それでもナゲッツはラスト3分から9-2のランで盛り返す。オフェンスの起点となるのはポイントセンターのヨキッチだが、点を取るのはオースティン・リバース、ブリン・フォーブス、アーロン・ゴードンにヨキッチ、モンテ・モリスとチームバスケットが機能して、残り15秒で1点差まで迫った。しかし、カリーが3ポイントシュートではなくドライブでナゲッツ守備陣のギャップを突き、体勢を崩しながらもジャンプシュートをねじ込んで、3分間決まっていなかったフィールドゴールを記録。残り5.9秒で116-114と突き放し、チェイス・センターは大いに盛り上がった。

カリーのクラッチシュートで勝つ、注文通りの展開となったはずだったが、この得点シーンでカリーに激しく寄せながらも止められなかったモンテ・モリスは燃えていた。残された6秒間で絶対にチャンスが来ると彼は信じていた。

ナゲッツの最後のポゼッション、ヨキッチがボールを持ってアイソレーションを仕掛ける。絶好調のヨキッチにウォリアーズがダブルチームを仕掛けるのは必然だった。ケボン・ルーニーがファウルしないように行く手を阻み、カリーがヘルプで飛び込む。それをヨキッチは冷静に見ていた。「ペイントエリアの中央まで押し込んでフックショットを打ちたかったけど、誰かが空くなら見逃さないようにと思っていた」とヨキッチは言う。「モンテが空いたからパスを出した。それが最善のプレーだった」

カリーが急いでシュートチェックに跳ぶが間に合わない。「あの状況でヘルプに行かない選択肢はなかった。スリーを打たれるのは仕方なかったけど、彼はクラッチバスケットを決めた。良いプレーができていたのに負けてしまった」とカリーは悔しがった。

殊勲のシュートを決めた直後、駆け寄ったチームメートに揉みくちゃにされたモリスは言う。「ニコラは絶対的な能力の持ち主だけど、同時にアンセルフィッシュな選手だ。空いていればパスは出てくると信じていた。僕をマークしていたステフがダブルチームに行った瞬間、僕は3ポイントラインに出た。そしてボールが出てきた。あとは決まるか決まらないかの話じゃなく、いつも練習している自分のシュートを打つだけだった」

「僕だけじゃない。チームメート全員がニコラのことを信頼していて、パスが出てくると思っている。その一体感が僕たちの強さの秘密だと思うし、今回は彼の信頼に結果で応えることができて良かったよ」

「僕にとってNBAでゲームウィナーのシュートを決めたのは初めてのことだ。大学時代にはあったけど、それとは比べ物にならないから、これまでのキャリアで最高のシュートだと言っていいと思う。そして何より、みんなが良い気分で休みに入ることがうれしいね。まだまだ課題はあるけど、僕としてはシーズン後半戦を楽しみにしている」

ナゲッツはジャマール・マレーが昨シーズン途中に負った膝十字靭帯断裂の大ケガで欠場しており、マイケル・ポーターJr.も古傷の腰を痛めて離脱中。それでも、2人とも順調に回復すれば今シーズンの終盤戦、そしてプレーオフには間に合う見込みだ。苦しいシーズン前半戦を33勝25敗、西カンファレンスの6位で終えたことで、後半戦のナゲッツには大きな期待が持てそうだ。