指揮官ドック・リバース「彼がチームに残した穴が大きいのは明らか」
セブンティシクサーズはここまで15勝15敗と、ベン・シモンズを欠きながら健闘を続けている。それでも開幕10試合で8勝2敗と好スタートを切った後、ジョエル・エンビードにトバイアス・ハリスと主力選手が新型コロナウイルスに感染して戦線離脱し、今もシェイク・ミルトンにアンドレ・ドラモンドと複数の選手が健康安全プロトコルでチームを離れている。
新型コロナウイルスの影響を受けるのはシクサーズだけではない。だが『ベン・シモンズ問題』が重なることでシクサーズの逆風は明らかだ。現地12月20日のセルティックス戦を前に、シクサーズの指揮官ドック・リバースは、今のチーム状況を「自分たちが何者なのかが分かっていない」と語った。
「ベンは試合でプレーしていない。彼がチームに残した穴が大きいのは明らかだ。そして彼はプレーするかもしれないし、しないかもしれない。彼が戻って来れば素晴らしいことだし、戻らないなら代わりに得るのが誰であれプラスになるだろう。ただ、今はそれが何になるか分からない。ただただ目の前の試合に勝とうとプレーするだけだ」
ドックは直接的な言及を避けたが、勝てばすべてを手に入れ、負ければその逆のNBAにおいて、中心選手でありながらプレーする意図がを見せないシモンズの処遇がいつまでも決まらないストレスはあまりにも大きいのだろう。本来であればトレーニングキャンプ開始前、最悪でも開幕までには、フロントがシモンズと面談し、話し合いでチームに戻ることを納得させるか、トレードを成立させるべきだった。
当時のシクサーズのフロントは、ウィザーズのブラッドリー・ビール、トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードのようなリーグのトップ選手とのトレードを目指していたが、開幕までに交渉をまとめることはできなかった。シーズン開幕後、プレーしないシモンズの評価は下がる一方で、その能力とは別にプロとしての姿勢の面で、どのチームも獲得には躊躇するだろう。エースとのトレードが成立するはずもない。
リバースも選手たちも不利を抱えながら奮闘しているが、それでも勝率5割をキープするのがやっと。指揮官が言うように、『ベン・シモンズ問題』が解決しない限りシクサーズは「自分たちが何者なのかが分かっていない」ままだ。