ダニー・グリーン

優秀なウイングディフェンダーが減ることを懸念するグリーン

ベン・シモンズがセブンティシクサーズ経営陣と面談を行い、「トレーニングキャンプに参加するつもりはない」と発言したことが報じられた。

この発言を聞く限り、シモンズとチームの間には修復不可能な溝ができていることがうかがえる。しかし、シクサーズにはオールスター級のトレードでなければシモンズを放出する意思がなく、落としどころが難しい状況となった。

これについてダニー・グリーンは『Sports Illustrated』に対し、「彼とのトレードで誰を獲得するか分からないからなんとも言えない」と正直な思いを語った。「僕は異なるタイプのポイントガード、異なるタイプのウイングとプレーするかもしれない。ベンチ出場になるかもしれないし、多くの点が変わるかもしれない」

シモンズはシュート力こそないが、ゲームメーク能力に長け、フィジカル負けしない力強いドライブからアシストや得点も量産できる大型ポイントガードだ。このような特徴を持つ選手は少なく、近しいスタイルなのはラッセル・ウェストブルックくらいだろう。だからこそ、グリーンが誰を獲得するか分からないと言うのも納得できる。

また、シモンズはディフェンスの名手としても知られ、2シーズン連続でオールディフェンシブファーストチームに選出されている。オフェンスよりもディフェンス面での貢献度のほうが高く、こうした攻守に違いを生みだせる存在は稀だ。

シモンズの能力を深く理解しているグリーンは「もし彼が去ってしまったら、オフェンスだけでなくディフェンスも大きく変わる」と語り、持論を展開した。

「ベンは1番から5番までディフェンスできる。知っての通り、昨シーズンの最優秀守備選手の候補で、僕たちのディフェンスにおいて大きな一部だった。僕が主要なディフェンダーになるかもしれない。それが僕にとって問題とは言わないけど、今は僕とマティース(・サイブル)だけで、素晴らしいウィングディフェンダーが一人減ることになるんだ」

シクサーズは絶対的エースとなったジョエル・エンビードが中心だが、シモンズやグリーン、サイブルら優秀なディフェンダーがいることで攻守のバランスが整ったチームとなった。攻守に違いを生み出せるシモンズが去ることになれば、スタイルの変更を余儀なくされる可能性もある。昨シーズンの東カンファレンスで最高勝率を残したシクサーズには、大きな決断が迫られている。