赤穂ひまわり

打倒アメリカ「同じ相手に2回は負けられないです」

バスケットボール女子日本代表は、東京オリンピック準決勝で強豪のフランスを撃破し『女王』アメリカが待つ決勝戦へ駒を進めた。

フランスは予選ラウンドの初戦で戦った相手で74-70で勝利したが、スコアが示す通り実力は拮抗していた。しかし、準決勝で日本は最高のパフォーマンスを見せ、87-71と大差をつけて勝利した。

オリンピック記録を更新する18アシストを記録した町田瑠唯のゲームメークは冴え渡ったが、攻守に奮闘した赤穂ひまわりの活躍も見逃せない。赤穂はフィールドゴール9本中7本と高確率で成功させ、チームハイの17得点を記録した。

指揮官のトム・ホーバスが「フランスのディフェンスはアウトサイドシュートに対して警戒してきましたが、逆に今日はペイントアタックで攻めることができました」と語った。3ポイントシュートに定評のある宮澤夕貴や林咲希が徹底マークを受けたことでスペースが広がり、インサイドでの合わせが特に機能した。185cmと長身ながら2番をこなすこともできる赤穂の万能性が生きたのだ。

赤穂は「町田選手は速い日本のバスケットを作るのがすごく上手ですし、そのスタイルに自分も合っていると思います。今日は町田選手の動きに合わせていっぱい走ることができ、そこで走れば絶対にパスが来るので、(パスしてくれて)ありがとうございますと言いたいです」と町田への感謝を口にしたが、フィニッシュを決め切れる赤穂のタフさと技術が町田の18アシストを生んだとも言える。

また、赤穂が「第1クォーターは相手にディフェンスリバウンドを取られてしまって、なかなかリズムに乗れませんでした。そこでホーバスヘッドコーチから『ディフェンスとリバウンドをもう一度意識して、そこから走って行こう』と言われ、それが徹底できた時間帯は日本のペースで試合ができていました」と語ったように、トランジションが機能したことで、日本は主導権を握った。だからこそ、チームハイ(タイ)の7リバウンドを記録しつつ、速攻のフィニッシャーにもなった赤穂のパフォーマンスは欠かせないものだった。

いよいよ明日、世界一を懸けてアメリカと戦う。アメリカは現在6連覇中の絶対王者だが、赤穂に負ける気はさらさらない。「アメリカは今大会唯一負けている相手ですし、同じ相手に2回は負けられないです。しっかり準備をして、日本のスタイルを40分間出し切り、良いバスケをして勝ちたいです」