男子日本代表

ゴベア、フォーニエ、バトゥームなどNBA選手を擁する強豪を上回る

バスケットボール男子日本代表は、世界ランキング7位のフランスを迎えて東京オリンピック開幕前の最後の国際強化試合を行った。田中大貴、馬場雄大、渡邊雄太、八村塁、ギャビン・エドワーズの5人が先発した。

本番想定の強豪フランスとの対戦に、日本のどの選手も試合開始からエンジン全開。速い展開に持ち込んで渡邊、馬場が得点を挙げ、ルディ・ゴベアのリムプロテクト能力に苦戦しながらも、八村がゴール下まで持ち込み、ポンプフェイクでタイミングを外してゴベアのファウルを受けながらバスケット・カウントをもぎ取る。八村のフリースローで追い付いた日本は、渡邊の3連続得点で一気にリードを奪い、18-14で第1クォーターを終えた。

第1クォーターの18得点はすべて『海外組』によるもの。それでも、彼らがベンチに下がった第2クォーターも日本の勢いは止まらない。金丸晃輔がドライブからフローターを沈め、金丸の3ポイントシュートが落ちたところをエドワーズが押し込む。エドワーズのディフェンスリバウンドから富樫勇樹が走り、再びエドワーズへ合わせる千葉ジェッツコンビの連係も飛び出した。八村と渡邊が不在の時間帯に得点を引っ張ったのはエドワーズで、難しいミドルジャンパーも確実に決める。比江島がドライブで仕掛けてフリースローを獲得し、35-22とリードを広げたところで渡邊がコートに戻り、日本は『国内組』でも戦えることを示した。

エドワーズがオフェンスリバウンドを奪ってのセカンドチャンス、前に出てこれないフランスのディフェンスの手前から富樫が3ポイントシュートを射貫くなどオフェンスが爆発。46-30と大量リードで前半を終えた。

後半もチームディフェンスから田中のファストブレイクが飛び出すなど日本のペースでスタートするが、後半が始まってすぐにゴベアのアタックを止めにいったエドワーズが、相手の肘をあごに受けてコートの外へ。大事を取ってその後は出場せず、インサイドで不利を背負うこととなった。さらにエバン・フォーニエがテンポを上げることでチームとして積極性が出ることで、フランスが次第に盛り返していく。

比江島慎

比江島慎、馬場雄大も勝負どころで攻守に持ち味を発揮

しかし、この時間帯に渡邊がゴベアのブロックショットをかわすジャンプシュートを決めるなど、日本も簡単には主導権を明け渡さない。最終クォーターに入っても、ギアを上げるフランス相手にチームで粘り強いディフェンスを継続し、比江島がタフなジャンプシュートを沈め、八村が厳しいマークをかいくぐって得点を重ねる。八村のドライブから右コーナーへキックアウト、比江島がファウルを受けながらもクイックリリースで3ポイントシュートを沈める4点プレーと、これまでなかった『八村-比江島』のホットラインも完成し、最終クォーター開始1分半で70-58とした。

フランスもそのままでは終わらない。ここから八村、渡邊と揃っていながら個人での強引な攻めが目立って得点のペースが落ちると、フランスの高さのミスマッチを狙う3ポイントシュートを次々と浴びて同点に追い付かれる。

ただ、ここで馬場が思い切りの良いスティールからそのまま走り、ダンクに持ち込む十八番のプレーで日本がリードを奪い返す。ここまであまり良いプレーのなかった馬場だが、ショットクロックのない場面で強引なアタックからフリースローをもぎ取り、ディフェンスでもエバン・フォーニエのアタックを身体を張って阻止するなど、持ち味である勝負度胸をここぞの場面で発揮した。

残り20秒で馬場が放った3ポイントシュートは外れるが、このリバウンドを八村がもぎ取る。フランスはファウルゲームに行かざるを得なかったが、八村、渡邊がフリースローを決めて、最終スコア81-75で勝利している。

渡邊雄太「本番まで時間はないけど、自分たちのバスケットを突き詰める」

ヘッドコーチのフリオ・ラマスは「完璧な内容で満足している。フランスに初めて勝利して、こういう機会で勝てたのは五輪に向けて良い入り方だと思う」と、テストマッチではあってもプレーの内容、そして強豪相手に勝利したことを評価した。

八村は19得点7リバウンド、渡邊は18得点9リバウンドと、NBAプレーヤーの2人がエースとしての仕事を全うしたことはもちろん、比江島慎が15得点を挙げ、エドワーズが後半ほとんど出られなかった分は張本天傑が身体を張り、八村と渡邊のプレータイムが30分を超えることなく、チームで勝利したことが評価に値する。

「前半終わった時点で16点差はないものと考えようとみんなで話し合って、慌てずに自分たちのバスケットを徹底しようと話した」と渡邊は振り返り、こう続けた。「今日の勝ちを自信にする部分と、まだできていない部分が多いのでしっかり修正して、本番まで時間はないけど、自分たちのバスケットを突き詰めていければと思います」

2年前のワールドカップでは、直前に行われたホームでのドイツ代表戦で勝利している。しかし、相手はあくまで調整のためにプレーしていて、本番ではドイツより格下の相手にも日本は圧倒され、5戦全敗で大会を終えることになった。今回のフランスもオリンピックを目前に控えてチーム作りは詰めの段階だが、『何が何でも勝つ』という気迫を欠いていたのも事実。歴史的勝利を自信にしつつも、この1勝に慢心することなく、8日後に迫ったスペインとの初戦に向けて万全の準備をしてもらいたい。