スティーブ・ナッシュ

カー「バスケットボールを知り尽くしている」

ネッツがスティーブ・ナッシュを新ヘッドコーチに招聘したニュースは多くの関係者やファンを驚かせた。ヘッドコーチ経験のないナッシュを指揮官に選んだネッツの判断を疑問視する声もあったが、ナッシュをよく知る人たちからの評価はすこぶる高い。

かつてニックスやロケッツでヘッドコーチを務めたジェフ・ヴァン・ガンディは、ヘッドコーチ経験がないからといってナッシュがバスケットボールを知らないということではないと『Sports Illustrated』で主張した。

「コートでの経験はとてつもなく価値が高い。『経験不足』という言葉を使うと、選手としてのキャリアがどれだけ価値のあることか分からなくなってしまう。そういう意味ではスティーブ・カーやマーク・ジャクソン、デレック・フィッシャーなどの選手と同じようにスティーブ・ナッシュを見ている」

また、ナッシュがヘッドコーチに相応しいかは実際に指揮してみないと分からないとも語った。「プロレベルでは特にだが、コーチとしての能力は実践で学ぶものだ。実際になってみるまではコーチになる準備はできない。我々はやりながら多くのことを学んでいく」

「多くの偉大なアシスタントコーチがヘッドコーチとして苦労してきたのは、2つの仕事が全く違うからだ。ナッシュは経験が浅いという意見には同意できない。彼は経験豊富だと思う。すべてのコーチは経験年数に関係なくチームとグループにとって何が最善かを学ぶ必要があり、どのコーチも学習には時間が必要だ」

ウォリアーズの指揮官スティーブ・カーは、ナッシュがNBAのヘッドコーチとして成功すると太鼓判を押す。ナッシュは過去5年間、ウォリアーズで選手育成コンサルタントとしてカーと一緒に仕事をしてきた。またナッシュがサンズで現役だった頃、カーはゼネラルマネージャーを務めており、2人は旧知の仲だ。

「彼なら大丈夫だ。正しいやり方を分かっている。NBAでの経験も相当長いし、バスケットボールを知り尽くしている。人の気持ちも分かる。彼はとても賢い人間だから優秀なスタッフを雇うはずだ。学ぶべきことはあるが、すぐに学べるだろう。リズムと感覚を掴むまで時間は全然かからないだろうし、サポートしてくれる優秀なスタッフを集めると思う」

また、ケビン・デュラントとナッシュの関係の深さも今回の就任に大きく影響したとカーは言う。「ケビンがウォリアーズと契約する前から2人は親しかった。オンラインで見れるドキュメンタリーのようなテレビ番組でスティーブがケビンにインタビューしているんだけど、2人が意気投合しているのが分かるんだ。ケビンはスティーブを心から尊敬している。子供の頃からスティーブのプレーを見て育ってきて、引退間際には対戦もしている。2人はお互いをリスペクトしている」