ケンドリック・ナン

ヒートにとって最大のサプライズ選手

ヒートのルーキー、ケンドリック・ナンは『South Florida Sun Sentinel』とのインタビューでブレイクスルーした2019-20シーズンを振り返った。ドラフト外でヒートに入団したナンは、ルーキーイヤーのパフォーマンスに相当な自信を持っている。

「僕はこのリーグでスターターのガードを務めている。開幕からずっと先発でプレーし続けてきた。チームも勝ち越していてプレーオフに出られる。自分の力を証明できた。それに僕はルーキー・オブ・ザ・イヤーだ」

ルーキー・オブ・ザ・イヤーはグリズリーズのジャ・モラントかペリカンズのザイオン・ウィリアムソンの一騎打ちだと言われている。それでもナンはチームの勝利に貢献した自負がある。

「みんなはモラントがルーキー・オブ・ザ・イヤーだと言うだろうね。でも僕はそうは思わない。価値が一番高いのはチームの勝利だ。彼も僕もチームのスターティングポイントガードだが、ヒートの方が成績がいい。僕らはプレーオフチームだ。だから僕のほうがルーキー・オブ・ザ・イヤーにふさわしい」

ナンは2019年4月10日にヒートと契約を結ぶ前はGリーグのチームでプレーしていた。Gリーグでは49試合に出場したが先発は1試合だけ、大学時代も先発したのは126試合中39試合しかなかった。当時のナンの目標は、いつかNBAに上がりセカンドユニットとして活躍することだったという。だが、たった1年で無名の選手からNBAの舞台へとのし上がり、チームの躍進に大きく貢献したのだ。きっかけは昨年のサマーリーグでのパフォーマンスだった。

「プレシーズンのときヒートはあらゆるローテーションを試しながら必要な選手を見極めていた。先発のポイントガードにはオフェンス力のある選手が必要だった。僕は得点力が高かったから開幕から先発を任されることになった」

ナンが今シーズンのオールルーキーファーストチームに選出されることは間違いない。ルーキー・オブ・ザ・イヤーの投票でもモラント、ザイオンに次ぐ3位となりそうだ。ただ、ライバルとなりそうな2人に関しては対戦相手という以外に特別意識することはない。

「意識して彼らの映像を観ることはないし、彼らのスタッツも気にしていない。映像でプレーを確認して分析し、次の対戦に備えるだけだ」

ヒートにとって今シーズン最大のサプライズだったナンは、当然ながらシーズンの再開を希望している。だが、たとえシーズンが終了してもナンのモチベーションが下がることはない。

「これからも成長し続けるられるように頑張るだけだ。今シーズンがこのまま終わるなら、来年はもっと強くなって戻ってくるだけだよ」