「自分が入ることによってチームとして良い流れができた」
皇后杯ファイナルラウンド準決勝、デンソーアイリスは三菱電機コアラーズを75-61で下し、決勝進出を決めた。
デンソーの髙田真希はゲームハイの18得点に加え、7リバウンド5アシスト3スティールとまさに大黒柱と呼ぶに相応しい活躍を見せた。それでも髙田自身は「個人的には全然ダメだった」と、満足のいく内容ではなかったという。
「チーム全体としては良い出来だったと思いますけど、決めきらないといけないシュート、フリースローも含めてまだまだ本調子じゃないと思うので。明日は一回しかないので、修正して本来の自分のプレーをしたい」
髙田の自己評価は低かったが、それでもデンソーにとって髙田の存在感は数字では計れないものがある。この試合、髙田を含めた3選手が第1クォーターに3ポイントシュートを2本ずつ成功させたことで、2桁のリードを得た。しかし、その後は三菱電機の粘りに遭い、2ポゼッション差に迫られる場面が何度もあった。そうした場面はほとんど髙田がベンチに下がっていた時間帯のことだ。
それでも髙田がコートに戻ることでチームは自信を取り戻し、本来の力を発揮。先発の5人全員が2桁得点を記録し、逆転を許さなかった。髙田もこうした展開に自信を深めた。
「もちろん自分が点数を取る時もあれば、自分を使って周りの選手が得点を取る時もあります。自分が入ることによってもう一回引き締まったり、チームとして良い流れができました。トータルで見ると勝ちましたし、相手のゾーンディフェンスに上手くアジャストできた部分もあるので良かったと思います」
「納得できる試合内容だったか」にフォーカス
常にリードする展開、本来であれば髙田のプレータイムはもっと抑えて、JX-ENEOSサンフラワーズとの決勝に備えたかったはずだが、結局は29分の出場に。それでも髙田は「もっと出たかったです」と意に介さない。
さらに言えば、「フレッシュな気持ちで出ていけるのは良かったですが、個人的には自分が悪くて代えられたと思っているので反省点ばかりです」と、最後まで自分のパフォーマンスには納得がいかないようだった。
明日の決勝はJX-ENEOSサンフラワーズが相手となる。勝敗を分けるポイントを髙田は「一番はディフェンス」と言う。
「しっかり守って良いオフェンスに繋げていけば、今日みたいな良い流れもできます。自分たちが良い流れの時はディフェンスもオフェンスもできているので、そういったプレーに持ち込みたい」
髙田は平常心で臨むことが大事とも説いた。「勝ち負けも大事だけど、ヘッドコーチからは自分たちが納得できるプレー、納得できる試合内容だったかを問われます。チームは確実に成長しているので、練習でやってきたことを決勝の舞台で発揮することが自分たちの課題です。今までと違って、自分だけじゃなく周りの選手もしっかり成長しているので、納得できるプレーを一人ひとりやるのがベストだと思っています」
苦戦はしたが、デンソーは髙田を温存しながら決勝に進出した。それは『髙田依存』からの脱却が少しずつでも進んでいることを意味し、チーム力アップの証明だ。すべての選手が持ち味を発揮すれば『女王』の7連覇を阻止できると髙田は信じている。
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