ディアナ・トーラシ

オリンピックで6つの金メダルを獲得、WNBAで優勝3度

女子バスケットボール界史上最高の一人と評されるアメリカ代表のダイアナ・トラーシが、ニュース誌『Time』の独占インタビューで引退を発表した。

42歳のトラーシは、高校時代から世代屈指の選手と注目され、そこから大学、WNBA、ユーローリーグ、アメリカ代表とあらゆるカテゴリーで多くの勝利をつかんできた。

その偉業を振り返ると、オリンピックで6個の金メダル、コネチカット大では3度のNCAAトーナメント優勝、WNBAではフェニックス・マーキュリー一筋で2004年から昨年までプレーして優勝3回、ファイナルMVP2回、シーズンMVP1回、オールスター通算11回選出、さらには通算得点で歴代1位だ。また、WNBAのオフシーズンにはロシアやトルコなどで12シーズンを過ごし、ユーロリーグでも6度の優勝を成し遂げている。

トラーシは引退の理由をこう語る。「メンタル、フィジカルともに満たされました。これがおそらく最も私の気持ちを表現しています。今の私は満たされていて、幸せです」

卓越した実績を持つトラーシを史上最高の選手と評する声に対して本人は「私は実績がありますが、評価するのは私ではない」と語るのみ。そして、自身の偉業を塗り替えるような新たな選手の出現を期待している。

「私の得点記録や6個の金メダルは、私と同じようなハングリーさ、バスケットボール中毒の人物が現れ、私とは違った方法で同じような成績を残すでしょう。スポーツとはそういうものです。新たな偉業を成し遂げる選手の姿を見るのは楽しいだろうと期待しています。願わくば、すぐにでもそれを見たいです」

もちろんバスケットボール界は彼女への称賛で溢れている。レブロン・ジェームズは次のように語る。「その超越したプレーを見ることで、少女たちは彼女のようにプレーしたいと思った。彼女のプレースタイル、華麗さであり堂々とした姿は素晴らしいものだった。彼女は史上最高の選手の一人だ」

今の女子バスケットボール界には、ケイトリン・クラークなど新たなスター選手が誕生している。だが、20年以上にわたってトップレベルの活躍を見せたトラーシの偉業はこれからも色褪せることはない。