奥山理々嘉

取材・構成=丸山素行 写真=野口岳彦

昨年のウインターカップで過去最高位となるベスト4に輝いた八雲学園(東京)。コート上では上下関係をなくし、2年生からキャプテンと副キャプテンを任された奥山理々嘉と小村日夏理は、ともに世代別の日本代表に選出されるなど、その実力は折り紙付き。最上級生となり最後の大会に臨む2人に話を聞いた。

マイペースでB型のキャプテン&副キャプテン

──まずはこれまでの経歴など、自己紹介をお願いします。

奥山 奥山理々嘉です。ポジションはパワーフォワードです。横須賀市立坂本中出身でチームは全国3位で、ジュニアオールスターで優勝しました。高校は昨年のウインターカップベスト4が一番上です。個人としてはU17の世界選手権と日中韓に出て、U18のアジア選手権で2位という成績です。

小村 小村日夏理です。ポジションはフォワードです。理々嘉みたいにミニバスとか中学では全国に出ていないですが、中学でオールスターに選ばれました。高校に入ってからはウインターカップベスト4と国体での準優勝です。あと今年はU18の代表に選ばれました。

──2人は昨年からキャプテン、副キャプテンを任されているとお聞きしました。今度はお互いを紹介していただけますか?

小村 いつでも先頭に立って、頼りがいのあるキャプテンです。すごくバスケが大好きで、バスケやってる時とやってない時のオン・オフがしっかりしています。あとはいつでも笑顔! バスケをやっていない時はちょっと抜けてます。でもそれがちょうど良いんです!

──小村さんはどうでしょう?

奥山 自分が困っているときに助けてくれる、良い副キャプテンです。ちゃんと周りを見てくれているし、一緒にチームを引っ張ってくれます。ここを直してほしいところは……ないです!

小村 あります、あります。ないわけないじゃないですか! いい子だからこうやって言うー。

奥山 じゃあ考えるので、少し時間ください。

──考えないと出てこないってすごいですね。では小村さんは自分ではどういうところが短所だと思いますか?

小村 マイペースです。

奥山 あ、私もマイペースです。

小村 お互いマイペースです。B型なので、自由です(笑)。

小村日夏理

「頑張る姿を見せることが一番の恩返し」

──コート上での上下関係をなくしたと高木先生がおっしゃっていました。2人は2年生だった昨年からキャプテンと副キャプテンをされていますが、慣れるのに苦労はしなかったですか?

奥山 役割的に自分たちが引っ張っていかなきゃいけないというのもあったので、下級生だった時は難しかったです。

小村 でも昨年は3年生でコートに立っているのが1人でしたし、先輩が怖いとかはなかったです。自分たちとしてはその人のために頑張ろうと思っていました。

──そうした経験を経て3年生となり、現在はどんな思いでチームをまとめていますか?

奥山 今年が最後で、自分が最上級生だから、下級生たちを良いところに連れていってあげたいなという気持ちになりました。自分が下級生だった時に先輩たちについていきたいという気持ちを持っていたので、今の下級生もそう思ってくれていたらうれしいです。下級生も頑張ってついてきてくれているので、今度は自分たちが頑張らなきゃという感じです。

小村 私が1年生の時にウインターに初めて出場した時に、今までやってきた大会と何か違う感じがしたんです。そういった出なきゃ分からないものを今の後輩たちに伝えてあげたいというか、感じさせてあげたいなと思っています。昨年はベスト4止まりだったので、今年は優勝して一番良い景色をみんなで見れたらなと思います。

──これまでは上級生のために頑張って、最上級生となった今は後輩のために頑張るということですね。しかし、自分のためにやってもいいと思ってしまいますが?

奥山 誰かのために頑張ろうと思ったほうが頑張れるんですよ。最後の大会なので、自分のモチベーション的には「恩返ししたい」という気持ちが強いです。自分たちらしく頑張る姿を見せれば結果は後からついてくると思います。そういうところを見せることが一番の恩返しかなと思っているので、それでもっと頑張ろうと思いますね。

小村 ホントにできた子なんですよ!