アル・ホーフォード

感銘を受けるテイタム「今日のアルは25歳のように見えた」

セルティックスvsウォリアーズは、昨シーズンのNBAファイナルのカードだ。現地1月19日、今シーズンになって2度目の対戦、そして今シーズン初めてボストンでの対戦が行われた。今シーズン最初、敵地での試合は107-123で完敗している。

こういう場合、往々にして気持ちが入っているのは負けた側だ。NBAファイナルでのセルティックスは2勝1敗から3連敗を喫した。今シーズン開幕から絶好調でリーグ首位を快走していても、ウォリアーズに対する苦い記憶は常に頭のどこかにある。

ジェイソン・テイタムは「僕たちは負けて優勝を逃した。過去に戻ってその事実を変えることはできないから、ファイナルのリベンジという意識はない。ただの1試合だ」と言う。しかしアル・ホーフォードは「この試合には絶対勝ちたかった。レギュラーシーズンのただの1試合でも、とても大事な試合なんだ」とリベンジの気持ちを隠さない。

そんな強い気持ちが、セルティックスにオーバータイムでの勝利をもたらした。実際、いつもよりパフォーマンスは低調だった。フィールドゴール成功率は39.8%で、3ポイントシュートは31.7%と確率が上がらず、21アシストに対しターンオーバーが17とプレーの精度も欠いた。

美しいバスケットではなかったが、ボールに食らい付き、フィジカルに戦い続け、第4クォーター残り18秒にジェイレン・ブラウンの同点3ポイントシュートで延長に持ち込む。そしてオーバータイムでは8-0のランでウォリアーズを退けた。121-118で何とか競り勝った格好だが、アル・ホーフォードを始めセルティックスの面々が欲しがっていたのは、こういう勝利だ。

アル・ホーフォードは12月10日に行われた敵地での試合をケガで欠場しており、今回がNBAファイナル以来のウォリアーズ戦だった。「前回の試合を欠場したのは本当に失望した。だからこそ、今日の試合でプレーできたのがうれしかったし、どんな形であれ勝ちたかった」と彼は言う。

苦戦しながらも粘り強く戦い、最後には勝利を手中に収める。ホーフォードはこの勝ち方を「これが僕らのマインドセットだ」と誇る。「今シーズンは試合展開にかかわらず、チームとしてより成熟した対応をして、ただひたすら戦う姿勢を取り続けてきた。それが今日の試合でもやれた。そのことに勇気付けられるよ」

気合い十分のホーフォードは20得点10リバウンド3ブロックと出色のパフォーマンス。テイタムは「今日のアルは25歳のように見えた。彼が僕たちに気合いを入れてくれた。僕らはみんな彼の後に続いたんだ」と、彼がチームを精神的に押し上げたのだと言う。

それでも「ただの1試合」としか言わないテイタムも、シーズン最長の48分間プレー。第2クォーター以降はオーバータイムまでフル出場しているのだから、言葉にしないだけで気合いは入りまくっていたに違いない。彼も34得点19リバウンド6アシスト3スティールと、ホーフォードに負けないハッスルを見せた。NBAファイナルで敗れた事実は変わらないが、苦い思い出を上書きして彼らは前へと進む。