両チームともウイングが強力な秋田と広島の対戦にも注目
秋田ノーザンハピネッツ(10勝11敗/東4位)vs広島ドラゴンフライズ(16勝5敗/西2位)
今シーズン初対戦となるカード。秋田はここまでホームで1勝6敗と苦しんでいるが、アウェーでの3連勝の勢いのまま勝利をつかみたいところ。インサイドは第4節以降ケレム・カンターが欠場し、他チームと比較すると弱点になると思われていたが、211cmのスティーブ・ザックを中心に全員がリバウンドに絡んでリーグ2位の平均40.3リバウンドをマークするなど、強みの一つとなりつつある。また、3ポイントシュート成功率もリーグ2位の35.8%とバランスの良いバスケができている。対する広島は、リーディングスコアラーのドゥエイン・エバンス(平均17.2得点)を中心にリーグトップクラスの得点力で西地区の首位争いを繰り広げている。エバンスとシューターの辻直人のウイングはもちろん強力だが、フィールドゴール成功率47.5%(リーグ3位)を牽引するのはケリー・ブラックシアー・ジュニアと2020-21シーズンの得点王、ニック・メイヨだ。この2人がインサイドで確実に得点し続けることが、オフェンスの安定性を生んでいる。また、フリースロー成功率も78.2%(リーグ2位)と高く、秋田のプレッシャーディフェンスにひるむことなくアタックし続ければ得点チャンスは自ずと増えてくるだろう。
アルバルク東京(16勝5敗/東2位)vs滋賀レイクス(4勝17敗/西8位)
こちらも今シーズン初の顔合わせに。A東京はリーグ最少の69.1失点のディフェンス力を発揮し、現在7連勝中。平均得点は76.3得点とそこまで高くないが、それはA東京が持ち味とするピックゲームからスローペースに持ち込んでいる証拠だろう。リーグ最少のターンオーバー数(平均10.5本)でオフェンスを組み立て、セバスチャン・サイズ、ライアン・ロシター、アレックス・カークらリーグ屈指のインサイド陣を筆頭に平均13.0本(リーグ3位)のオフェンスリバウンドを奪い、セカンドチャンスを生み出すことがA東京の強さの根幹となっている。一方、滋賀は直近の3試合すべてで70得点未満に抑え込まれる苦しいゲームが続いている。平均13.8得点、6.7アシストでオフェンスの要を担うテーブス海の欠場が大きく響いているのは間違いなく、フィールドゴール成功率はリーグワースト(40.5%)に落ち込んだ。それでも、オフェンスでの課題は今月13日に加入したジョーダン・ハミルトンがチームにフィットすれば大きく改善に向かうだろう。
信州ブレイブウォリアーズ(11勝10敗/中4位)vs島根スサノオマジック(15勝6敗/西4位)
昨シーズンは島根の2連勝で終えているカード。信州は得意のハーフコートバスケと堅い守備で勝率5割をキープしている。オフェンスでは中距離シュートを極力打たないスタイルを用い、3ポイントシュートの試投数は平均28.6本(2ポイントシュート試投数は33.1本)と、ほとんどの試合で2ポイントシュートに近い数の3ポイントシュートを放っている。戦術の中でアウトサイドシュートに重きを置いている分、オフェンスリバウンドが平均10.1本(リーグ18位)と低い。セカンドチャンスポイントが充実していけば、さらに戦績も上向くはずだ。対する島根は前節にトリプル・ダブルを達成したペリン・ビュフォードやスコアリングガードとして平均14.7得点を記録している安藤誓哉など、オフェンス力が魅力のチーム。大きなストライドとスピードでディフェンスを置き去りにするビュフォードの推進力を止めるのは困難で、3ポイントシュート成功率39.7%、平均3.7アシストのニック・ケイのオフェンス面での貢献度も計り知れない。得点力のある外国籍選手とそれらの選手を操るガードの安藤を筆頭に、多種多様なオフェンスで信州のリズムを崩せば、島根の勝利は近いだろう。
三遠ネオフェニックス(10勝11敗/中5位)vs群馬クレインサンダーズ(12勝7敗/東3位)
前節の京都ハンナリーズ戦に勝利して連敗を止めた三遠は、群馬と今シーズン初対戦する。チーム全員が強度の高いディフェンスを見せて現在リーグトップの平均8.1スティールを記録。特に、佐々木隆成とサーディ・ラベナの2人は、インサイドへのヘルプなどで平均1.2スティールをマークしており、アーリーオフェンスを軸とする群馬を相手にも2人を筆頭にディフェンスから流れを引き寄せたい。また、11月にシーホース三河を退団したカイル・オクインが今節からエントリー可能となっているため、起用方法も注目だ。一方の群馬は、三遠に次ぐ2位のスティール数(平均8.0本)をマークしており、持ち味のトランジションオフェンスを支えるスタッツとなっている。また、平均85.5得点(リーグ3位)、平均23.4アシスト(リーグ2位)とアップテンポでボールがよく回るバスケをシーズン中盤になっても変わらず展開できており、引き続き機能させていきたいところ。トレイ・ジョーンズが平均20.4得点、マイケル・パーカーが平均2.3スティールを記録しているように、攻守の要となっているこの2人が問題なく出場できれば、強みを生かしたプレーが連発されるだろう。
ファイティングイーグルス名古屋(12勝9敗/西5位)vsシーホース三河(9勝12敗/中6位)
リーグでは初対戦となるFE名古屋と三河の愛知ダービー。FE名古屋は一人ひとりの強度が高いディフェンスを軸に勝ち星を積み重ねている。特にスティール数はリーグトップのジェレミー・ジョーンズ(平均2.3本)を筆頭に8.0本をマークするなど、スタッツ面からもそのディフェンス力が見て取れる。また、オフェンスでは平均18.0得点でチームのリーディングスコアラーを担うアンドリュー・ランダルを筆頭に、ジョナサン・ウィリアムズ、ジョーンズの3人が内外問わずリングを狙っており、攻守のバランスは整っている。対する三河は、前節の琉球ゴールデンキングス戦で96得点を奪うオフェンス力を見せて勝利した。前節の第2戦で今シーズン最多の33得点をマークしたダバンテ・ガードナーのインサイドアタックや、西田優大と角野亮伍の3ポイントシュート、長野誠史のドライブからのクリエイトなど内外でオフェンスを組み立てることができる。外国籍選手がアウトサイドに広がってボールを持つため、オフェンスリバウンドはリーグ最低の平均9.0本となっており、セカンドチャンスからの得点が少ない分、どれだけ良い形でシュートを狙えるかが鍵となる。また、セ途中加入のセドリック・シモンズは一貫してインサイドで奮闘しているため、試合を重ねていけばリバウンド面の課題も改善していくだろう。
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(15勝6敗/西3位)vs新潟アルビレックスBB(3勝18敗/中8位)
トランジションオフェンスと高確率の3ポイントシュートを武器としている名古屋Dは新潟と今シーズン初対戦する。レイ・パークスジュニア、伊藤達哉、スコット・エサトンの3名を欠く苦しい状況の中、前節は同地区で上位争いを繰り広げる島根と星を分ける底力を見せた。現在リーグトップの平均20.4得点をマークするコティ・クラークとモリス・ンドゥールの2人が両日35分超えと奮闘した他、勝利した第2戦では齋藤拓実が12アシストと攻撃の起点となった。対する新潟は、前節の秋田戦を連敗。2試合とも第1クォーターの得点が6得点に留まるなど、出だしの悪さを改善できず、一度もリードをつかめないまま破れてしまった。平均アシストがリーグトップの名古屋Dに対して、リーグワースト(17.0本)のため、先発ガードの澁田怜音を中心に良いボールムーブを期待したい。10試合連続でダブル・ダブルを達成しているコフィ・コーバーンが、名古屋Dの機動力のある外国籍選手たちをどこまで抑えることができるかがポイントとなりそうだ。また、トランジションオフェンスが連発する状況になると不利なので、素早い戻りからペースダウンさせて、名古屋Dの流れに持ち込まれないようにしたい。
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