課題のスイッチディフェンスを攻略
6月18日、トルコ代表との国際強化試合に臨んだ女子日本代表は77-49で完勝した。
素早いディフェンスローテーションに加え、時折仕掛けるガード陣へのトラップ、そしてミスマッチのインサイド陣へのダブルチームなど、日本のディフェンスは終始機能した。その結果、すべてのクォーターを15失点以下に抑え、トルコのターンオーバーは25を数えた。またトルコのシュートがエアボールになりシーンが多々あるなど、トルコのフィールドゴール成功率を37.2%に封じたディフェンスの良さが特に目立つ試合となった。
この試合で先発を務め、チームハイの3スティールを記録したオコエ桃仁花は「日本らしい激しいディフェンスからのブレイクが出せたので良かった」と試合を振り返ったが、勝因となったディフェンスについては、世界と戦う上でこれがスタンダードレベルだと強調した。「無敵感はまだまだです。逆にこのディフェンスをやらないと、世界とは戦えないので。自分たちはこれを当たり前のディフェンスだと思っています」
オコエはディフェンスの貢献も目立ったが、第1クォーターだけでチームハイの15得点を記録し、日本がスタートダッシュを決める立役者にもなった。日本は2点のフィールドゴールよりも3ポイントシュートの試投数が上回ったように、序盤から積極的にアウトサイドシュートを狙っていた。恩塚亨ヘッドコーチから「打ち続けることでチームが救われるという言葉をいただいて安心して打てるようになった」というオコエも、積極的にゴールを狙い、5本中3本と高確率で3ポイントシュートを沈めた。指揮官に背中を押されたことでシュートが打ちやすくなったが、「打ち続けて入らずに負けたら自分の責任なので、責任を持って打ち続けたい」と、シューターのプライドももちろん持っている。
ディフェンスが勝因になったことは間違いないが、77点を奪ったオフェンスもよく機能していた。オコエは東京オリンピック決勝でアメリカに敗れた教訓が生きていると言う。「アメリカ戦でスイッチングディフェンスをされて全然攻めることができませんでした。それが日本の課題として残りました。それを全世界が見ていたと思うので、そのディフェンスをされた時の対処の練習をすごくやっているところです。スイッチされた時にセンタープレーヤーがポストプレーでファウルをもらったり、そこの強化をしています。自分もその意図を理解して、そこを強化しないとアメリカ代表には勝てないと、そこの意識は変化しました」
勝ち越したオーストラリア遠征に続き、トルコを相手に素晴らしい試合運びを見せた日本。それでもオコエは現在のスタイルの完成度を「50%くらい」と評価したが、それは現在のチームに大きな伸びしろがあることを感じ取っているからだろう。本日の第2戦ではさらに洗練されたパフォーマンスが期待できそうだ。