田口成浩

「初めてチャンピオンシップに出ることができて充実したシーズンでした」

秋田ノーザンハピネッツはチーム初のチャンピオンシップ出場を果たしたが、クォーターファイナルで琉球ゴールデンキングスに敗れ2021-22シーズンを終えた。4年ぶりの古巣復帰となった一年を田口成浩はこう総括する。

「負けて悔しいですけども、今シーズン秋田に帰ってきて本当にあっという間の一年だったなと振り返って思いました。みんなの期待に応えられたかは分かりませんが初めてチャンピオンシップに出ることができて、優勝はできなかったですが充実したシーズンでした」

秋田は琉球戦の2試合とも大量リードを許す苦しい展開から、後半に入って一時は4点差にまで詰め寄る猛追を見せた。しかし、見方を変えればそれが精一杯で、追いつき追い越すところまで行けず琉球を焦らすことはできなかった。「あそこでリードを奪わせないところが、リーグ1位の勝率で終えた琉球さんの強さとあらためて思いました。それを乗り越えられなかったのが、僕たちの弱さです。最後まであきらめずに戦ったところを出せたのは良かったですが、シンプルに強かったです」

田口は力の差を認める。そして、秋田がより上へ行くために今回の教訓を成長の糧にしなければいけないと続ける。「日本一という目標がありますので、相手の勢いを飲み込むような琉球さんのプレーは僕たちも見習わないといけないです。僕たちもコーチが練ったプランをしっかり遂行できるように、一人ひとりがステップアップしていかないといけないです」

田口成浩

持ち味の長距離砲に千葉時代に磨いたドライブとプレーの幅が広がった姿を披露

田口個人について振り返ると4シーズンぶりの古巣復帰で、当然ながら前回在籍時とチーム状況は変わっている。「違う環境になっていて、ディフェンスのシステムなどアジャストするのは慣れないところもあり、最初はちょっと苦労しました」

こう語る田口だが、前回の秋田在籍時は不動の先発でエースシューターの役割を担っていたのが、今シーズンはベンチスタートが指定席となり、役割も大きく変わった。その中で平均8.0得点、リーグ3位の3ポイントシュート成功率45.1%を記録しており、「プレッシャーではないですが、個人、チームともに結果を残せたことにちょっとホッとしています」と率直な思いを明かす。

また、昨シーズンは千葉ジェッツで大きく出番を減らしたこともあって、即戦力として活躍できるか不安視する声があったことは感じており、それを見返してやりたいとモチベーションにしていた。

「期待だけではなく、大丈夫かみたいな雰囲気もシーズンが始まる前にあったと思います。それに対して個人的には『見とけよ』という気持ちもありました。万が一、結果を残せなかったら、いろいろと言われるでしょうが、3ポイントシュートは入りました。そして千葉で磨いたドライブなども出せたことには安堵しています」

実際、クォーターファイナルでの田口は、3ポイントシュートを徹底的に抑えにくる相手ディフェンスの逆をつき効果的にドライブやカットインで得点を重ねており、オフェンスの幅を広げたことを大舞台でしっかり証明している。

田口にとって秋田での2度目のスタートは、チャンピオンシップ初出場と一つの大きな成果を挙げる一年となった。そして、これは更なる飛躍への始まりにできると自信を持っていると締めくくった。

「ステップアップした自分を今シーズンはちょっとずつ出せました。正直、チーム、個人とも来シーズン以降、もっと進化できるかなと思います」

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