ジョエル・エンビード

「もし自分が100%の状態だったら、優勝できていたと信じている」

レギュラーシーズンを東カンファレンス首位で終え、優勝候補の一角として注目されていたセブンティシクサーズは、東カンファレンスセミファイナルで下位シードのホークスに敗れた。

ホークスに先に王手をかけられながらも、敵地での第6戦に勝って3勝3敗のイーブンに戻したシクサーズには、『GAME7』でのホームコートアドバンテージを生かす条件は整っていた。熱狂的なシクサーズファンも会場で声援を送り続けたが、敗退という結果に歓声がブーイングに変わり、シーズン終了を迎えた。

今シーズンのMVP最終候補にも残ったシクサーズのジョエル・エンビードは、膝の負傷を抱えながらも31得点11リバウンドを記録。エースとしてチームを勝利に導くのが仕事の彼は、96-103で敗れた第7戦後、試合の流れを変えた場面について口を開いた。

エンビードが挙げた場面は第4クォーター残り3分29秒からのプレーで、シクサーズがマティース・サイブルのフリースローにより87-88と1点差に迫った場面からの攻防だ。

「勝負の分かれ目になったのはウチがオープンな状態でシュートを放って、フリースロー1本を成功させた後の展開。ウチが点を決められなくて、相手に取られてしまった。そしてトレイ(ヤング)に3ポイントシュートを許した。すべて自分の責任。(92-96で迎えた残り44.7秒には)ターンオーバーを記録してしまった。ペリメーター内でなんとかできないかとトライしたんだ。でも、あれがターニングポイントになってしまった」

エンビードのターンオーバー直後、ホークスはトランジションからダニーロ・ガリナーリがダンクを決めてリードを6点に広げた。もし、エンビードがプレーを決めていたら1ポゼッションゲームになっていたため、また違った展開になっていた可能性はある。しかし、勝負の世界で『たられば』を言うべきではない。勝ち上がれなかったシクサーズは、この結果を受け止め、来シーズンのロスター編成を検討しなければならない。

会見でロスターにどういう変化が必要かと聞かれたエンビードは「今、言うべきことではない」と返答し、こう続けた。「素晴らしいチームだったと思う。コート内外で良い仕事をしてきたし、僕はチームの全員が大好きだ。今だって、もし自分が100%の状態だったら、優勝できていたと信じている」