東京成徳大学

オールコートプレスで2桁点差を覆した安城学園

ウインターカップ女子準々決勝、東京成徳大学vs安城学園の一戦は最後の最後までもつれる激戦となった。

主導権を握ったのは成徳。高確率な3ポイントシュートとドライブに加え、山田葵を起点としたピック&ロールなど、多彩なオフェンスバリエーションで先行した。速攻では安城学園に分があったが、成徳もトランジションを得意としており、要所でアーリーオフェンスからの3ポイントシュートを決めるなど、第3クォーターを終えた時点で72-59とリードを奪った。

だが最終クォーターに入ると、オールコートプレスが機能した安城学園のペースに。前線から激しいプレッシャーをかけ、何度もターンオーバーを誘発すると、この試合でゲームハイの39得点を挙げた近藤はづきが次々とゴールを奪っていく。そして、開始3分半で同点に追いつくと、そこから一進一退の攻防が最後まで続いた。

残り25秒、片山愛悠がフリースローを1本成功させ安城学園が3点リードするも、山田がすぐさまレイアップを決め返す。残り時間は15秒。タイムアウトを取った安城学園、ハーフラインからのリスタート。成徳はファウルゲームに持ち込むのではなく、ギリギリまでプレッシャーを与えてミスを誘った。残り6秒、ボールのこぼれ球を保持した山田はボールをプッシュし、左コーナーに待ち構えていた佐坂光咲へパスを送った。佐坂がシュートを放ったと同時に試合終了のブザーがなり、そのボールがリングに吸い込まれ、成徳が96-94の劇的な逆転勝利を飾った。

東京成徳大学

殊勲の佐坂「打った瞬間入ると思った」

成徳の遠香周平コーチは「引っ掛けるしかないのでフリースローは覚悟していた。ファウルゲームと思ったら、ファンブルしてくれた」とラスト15秒の状況を振り返った。

逆転ブザービーターを決めた佐坂は「打った瞬間入ると思った」と語った。佐坂はこの試合で4本の3ポイントシュートを含む20得点を記録。3回戦の県立小林戦でも12本中8本の3ポイントシュートを沈め、チームハイの29得点を挙げたが、「スコアラーではない」と自身を評した。それはこの試合で先発の5人が2桁得点を記録したように、全員が高い得点力を持っていることを誇りに思っているからこそだ。

「成徳は全員がシュートを決めるチームで、他の人も自分も取れます。全国の皆さんに成徳らしいバスケを見せたいです」

劇的なブザービーターでメインコート行きを決めた成徳。明日は決勝進出を懸け、札幌山の手と戦う。