出直しのルーキーシーズン、横浜ビー・コルセアーズの『海賊色』に染まった満田丈太郎は「試合で結果を出す」と飛躍を誓う

2017/08/08
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=バスケット・カウント編集部、B.LEAGUE

昨シーズン途中に特別指定選手として横浜ビー・コルセアーズに加わった満田丈太郎。筑波大でインカレ3連覇の主役を演じた満田だが、Bリーグの舞台では思うような成績を残すことはできなかった。それでもまだポテンシャルを発揮できておらず、未知数な部分はそのまま期待値でもある。そんな彼に、チームのサプライヤーを務めるスポルディングの展示会で話を聞いた。

「速攻、ハードディフェンス、泥臭いプレー」

──188cmとシューティングガードの中では身長が高い部類に入るかと思いますが、ご自身のプレースタイルやチームでの役割についてお聞かせください。

ポジションは主に2番ですが、大学までは2番と3番だったのでプレースタイルによって両方やります。ビーコルは年齢層が高いチームなので、試合に出たら若い僕がトランジションから速攻で走ったり、前からプレッシャーをどんどんかけて、出ている選手の負担を減らしたいと思っています。速攻、ハードディフェンス、泥臭いプレー。大きく言えばそんな感じです。

──特別指定選手として過ごした昨シーズンの手応えはいかがでしたか? 出場17試合は特別指定選手の中では多いほうだと思いますが。

試合中盤に出ることはそんなに多くなくて、最後にちょこっと出してもらっただけという感じです。特別指定選手だから出場チャンスをもらえていた状態で、それでもブースターの皆さんの前でプレーするチャンスをもらえたのはありがたかったです。新シーズンはルーキーとして、戦力としてゼロからのスタートです。

──試合に出た時はどんなことを意識してプレーしていましたか?

やることは決まっていたので、それを全力でやるだけでした。フリーだったらすぐシュートを打つとか、飛び込んでリバウンドを取るとか、相手から見て新人にやられたら嫌なプレーをやってやろうと思っていました。

──プロの壁のようなものを感じることはありましたか?

特に感じなかったです。相手どうこうよりも、僕のシュートが入らなかったですね。最後のインカレの1週間前に、練習中にリバウンドを取った時にギックリ腰みたいになってしまい、2週間ぐらい休んだんです。戻っても痛みがあって、天皇杯もケガを引きずりながらやっていました。そこで身体のバランスが乱れてしまって、シュートも入らなくなってしまいました。

──今のコンディションはいかがですか?

戻りつつはありますけど、まだまだですね。自分本来の動きを取り戻しながら、さらに強化しながら、というところです。

──筑波大の吉田健司監督は以前、「特別指定で入っているウチの選手は、遅かれ早かれ必ず頭角を現します」と教え子の活躍に自信を持っていました。これは日頃からプロ仕様の練習をやっていたということでしょうか。

そう思います。「バスケ博士」のような吉田先生の下で、システムのバスケットを教わりました。その他にもNBAでやっていた経験のあるトレーナーの方が筑波と連携してトレーニングメニューを組んでくれたり、シーズンに合わせた調整の仕方も学びました。食事面もそうです。そういうことも含めて吉田先生はそう言い切ったんじゃないかと思います。

代々伝わる大道中バスケ部の掟……!

──チームのサプライヤーを務めているスポルディングのイメージってどんなものですか?

初めてNBAを見た時にスポルディングのボールだという印象があって、『本場』というイメージですね。あとは指導者の方がノートや革の手帳を持っていたイメージがすごくあって、『バスケットボール=スポルディング』という印象が強いです。実際、僕も子供の頃の自主練ではスポルディングのNBAのボールを使っていました。ビーコルのユニフォームもカッコ良くて人気が高いんですよ。ビーコルに入ることが決まる前から、一番カッコいいと思ってました。実際着ていてもサイズ感だったり、着心地も良いです。

──満田選手は横浜出身ですが、地元であることは入団するきっかけになりましたか?

大きいですね。半分ぐらいを占めていたと思います。実際、アリーナに何度か足を運んで、ブースターさんの熱量もすごくて独特な雰囲気を持っていたので「いいな」と思いました。

──ブースターの『独特な雰囲気』とは具体的にどんなものですか?

昨シーズンの終盤は負けているのにお客さんが増えるという、とてもありがたい『謎の反比例』が起きていました。その応援のお陰でで久しぶりに勝った時に、すごく涙を流している女の子がいたりとか、歓喜に溢れている大人がいたりとか。そういう人たちの熱量がありながら、初めて来たお客さんに対してもウェルカムで、その熱量が乗り移ってノリノリの、独特の雰囲気になっていると思います。

──ちなみに中学校の大先輩に田臥勇太選手がいますが、通っていた頃から知っていましたか?

もちろんです。僕が小学校の頃から有名でした。大道中に通うようになったある日、田臥さんが実家の車を洗車してるのを目撃して「おお!」って。でも、サイン禁止令があって、田臥さんを見かけても挨拶するだけでサインをねだってはいけないんです。それは代々伝わる大道中バスケ部の掟でして。なので田臥さんと話したことはまだありません。昨シーズンですか? 僕が特別指定で入る前に栃木ブレックスとの対戦は終わっていたんです……。

バスケットボールに関しては本当に細かいのがプロの世界

──『海賊』をイメージしたチームのノリに、自分自身が合っていると思いますか?

ヤンチャというか気まぐれというか、海賊ノリに向いていると思います。筑波の時もそんなに『筑波』っていうキャラではなかったので。入団の話し合いをしていた時も海賊らしさを押してきたので、それは面白いと思いました。

──ケガで思うように行かなかった部分も多いと思いますが、横浜に加入して自分が成長できたと実感する部分はありますか?

バスケットボールに関しては本当に細かいのがプロの世界です。スクリーン一つにしても、自分がディフェンスの時はその抜け方だったり、抜ける前の相手との接触の仕方だったり。オフェンスでもスクリーンを使うタイミングだったりとか、カットのタイミングとか。リバウンドも勢いだけで行くのではなく、取れなかった時のことも考えたコース取りだったり。それを日々の練習から学んでいるので、そこは成長したというか勉強になりました。

──経験豊富な選手が多いので、その気になればいくらでも吸収できそうですね。

試合中に質問しても、ちゃんとアドバイスしてもらえます。試合をベンチで見ている間も、オフェンスでセオリー以外のプレーの提案だったり、ディフェンスでアウトナンバーになった時にどう潰していくかとか、最善のプレーを教えてもらっています。

──そんな海賊団の正式なクルーとなって迎える新シーズンに向けての目標をお願いします。

チームとしてはチャンピオンシップに絶対に出場する、それと同時に優勝を目指します。優勝を目指さないと、それに値する練習だったり危機感がなくなってしまうと思うので。個人的には、まずは自分本来のフォームや動きを取り戻して試合に出ることですね。

──経験豊富なクルーがたくさんいて、ポジション争いも熾烈かと思いますが、若さで勝負といったところですか?

それが吉と出るかもしれないですからね。まずは試合でコートに立たないと出せるものも出せないので、練習からしっかりアピールして信頼を得て、あとは監督の海賊心頼みですかね(笑)。