文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

決まれば優勝の『ザ・ラストショット』を沈めて初代王者に

オールスターゲームの『3ポイントシュートコンテスト』の2ndラウンドが行われ、1stラウンドでトップに立った田口成浩が『逆転の逃げ切り』で勝利した。

ルールは昨日の1stラウンドと同じ。参加7選手は、5カ所にそれぞれ5個用意されたボールを次々にシュート。各カ所ラスト1球のカラーボールは決めれば2ポイントとなっており、25投すべてを決めれば30ポイント満点。制限時間1分間でどれだけのポイントを稼げるかを競った。

田口の前に挑戦した金丸晃輔が、昨日のトップ記録となる21ポイントを上回る24ポイントを獲得。今回、『3Pコンテスト優勝』を公約に掲げた金丸は、最後のカラーボールも余裕たっぷりに沈め、30ポイント満点のうち24ポイントを稼いだ。

これを目の当たりにした田口は思わず『無』に。この時の心境は「嘘だろ……」だったと田口は打ち明ける。前日18ポイントと上々の記録を出していた金丸はこれで合計42ポイントに。田口が逆転で逃げ切るには、昨日を上回るしかなかった。

田口は1カ所目と2カ所目で4本を決める好スタートを切ったが、3カ所目で1本しか決められず。この時点で金丸の勝利が濃厚となったが、4カ所目で5投すべてを成功させて望みをつなぐ。

仲間の声援に後押しされ、決めれば勝ちの1本を沈める

ここで田口を助けたのは、5カ所目を投じるすぐ背後にいた仲間たちの存在だ。特にかつて秋田ノーザンハピネッツで一緒にプレーした富樫勇樹が、ノリノリで応援。その声が力になったと田口は言う。

「3番目のシュートを外してしまってヤバいと思ったんですけど4本目でつないで、5本目を打つ時に後ろの富樫たちが『行け行け』と言ってくれる声が聞こえてその応援があったからこそ決められました」

最後のカラーボールを手にした時点で20ポイント、前日と合わせ41ポイント。決めれば勝ち、外せば負けという状況だったが、田口は「必死だったんで。全然気づいていなかったです」と振り返る。

それでも、残り時間をたっぷり使って最後のシュートを投じた金丸とは対照的に、田口は自分のペースで、時間を残したままラストショットを放った。無心で放ったシュートがリングに吸い込まれて劇的な『逆転の逃げ切り』が決まると、代々木第一を埋めた観衆は総立ちに。その中で田口は歓喜のランを見せた。ある意味、その後の『オールスターゲーム』本戦を食ってしまうほどの盛り上がりだった。

初代王者となりマイクを握った田口は、ここでもお祭り男の本領を発揮。「元気ですかー!」とスタンドを煽ると、「1、2、3、おいさー!」の掛け声で会場を一つにまとめた。ここで燃え尽きてしまったのか、その後の『オールスターゲーム』ではやや精彩を欠いた田口だが、きっちりと存在感を発揮。秋田のスターから全国区へと大きな一歩を踏み出した夜となった。

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