文・写真=古後登志夫

福岡第一の『売り』である双子のバックコートコンビ、重冨友希と重冨周希。ともに身長172cmと小柄だが、井手口孝監督は彼らをこう評す。「リバウンドも強いし、守れる。高さはないですがオールラウンダーです。双子だから話題になるけど、ピンでも通用します。バスケットの理解力も高くなってきて、2人とも頼りになるガードです」
友希(左)が兄で、周希(右)が弟。インターハイ優勝の原動力となった『重冨ツインズ』のプレーは、ウインターカップでも目玉の一つとなる。注目の2人に話を聞いた。

友希「『阿吽の呼吸』は小さい頃からずっとやっているので」

──兄弟でずっと一緒にやっていると、楽しいのか大変なのか、どっちなんでしょう?

周希 小さい頃からずっと一緒で、兄弟喧嘩することももちろんありましたけど、年齢を重ねるにつれてあまり話さなくなってきました。それで喧嘩につながることもなくなりました。小さい頃は喧嘩もしましたが、今はほとんどしないです。

友希 僕もだいたい一緒です。2人とも家ではそれほど話すタイプじゃないので。

──双子ならではの『感じる部分』が試合での連携にプラスになる、みたいな話がありますが、本当だと思いますか?

周希 周りからは「つながってる」みたいなことを言われることがあります。そうだとは思っていないんですけど、やっぱり何かしらあるのかもしれないと思うことはあります。

友希 『阿吽の呼吸』とかみんな言うんですけど、小さい頃からずっとやってきているので、どこにいるのかというのは頭に入っています。それで息が合ってるように見えるんじゃないですか。

──試合で喧嘩とまでは行かなくても、言い合いになったことは?

友希 試合後にちょっと言い合いになって、バム(アンゲイ・ジョナサン)が止めてくれたみたいな感じのことはありました(笑)。

周希 試合中はだいたい短い言葉でしか会話しないですね。試合では互いの意見を言ったり確認し合っているだけなんですけど、周りから見ると笑ってしまうぐらい言い合っているとみんなには言われます。

周希「プロにも背が低くてもやっている選手はたくさんいる」

──今回のウインターカップには『インターハイ優勝チーム』として参加することになります。どういった気持ちで大会に臨みますか?

周希 今はインターハイで優勝したことによって自分たちが追いかけられる立場になったので、そこに怖さはあります。ウインターカップはメンバーも全員揃うし、3年生にとっては最後の大会なので、みんな最後まであきらめずにやってきます。自分たちも気持ちで負けることなく、しっかり臨んでいければいいと思っています。

友希 自分たちはほとんどウインターカップ初出場のようなものです。ウインターカップは高校生の中で一番大きな大会だし、最後の大会でもあります。そこで勝つには練習も大事だし、チームがまとまって相手を軽視することなく精一杯全力でやって、最終的には得点を取れたらいいと思います。

──将来はこんな選手になりたい、という『未来図』はありますか?

周希 まだ自分はそこまで考えてはないんですけど、プロにも背が低くてもやっていける選手はたくさんいるので。そこを今は目指してやっています。プロになれなかったらなれなかったで、その時に他の道を探すので、最初はプロを目指したいです。

友希 自分もだいたい一緒です(笑)。

──では、いよいよ始まるウインターカップでの目標を教えてください。

周希 インターハイで日本一になることもそうだったんですけど、インターハイは夏でチームがまだ出来上がったばかりの時期で、新人戦みたいな感じだったと思います。ウインターカップはやっぱり最後の集大成という大会なので、ここで日本一にならないと意味がないと思っています。だから優勝できるように頑張りたいです。

友希 第一で3年間やってきて、もちろん優勝することが目標になります。自分たちの代でインターハイで優勝できたことは大きいですが、ウインターカップでも日本一になれたら最高にうれしいので。練習もあと少ししかないので、しっかりとチームを作って、ウインターカップ初戦から1戦1戦全力で臨んで、日本一になりたいです。