今後は現地校からのスカラシップ獲得を目指す

将来の『NBA選手』輩出を目指し、世界(GLOBAL)と勝負できるバスケットボール選手(BALLER)の発掘・育成をする「GLOBALLERSプロジェクト」。GLOBALLERS CAMPと呼ばれる国内合宿を経て、4期生の中から選抜された7名たち『Team GLOBALLERS JAPAN』が、9月15日から12日間ロサンゼルスへ渡米する。

このプロジェクトは、 アメリカを体感できる絶好の機会であるとともに、活躍の先には現地校からのスカラシップ獲得を目指している。 現地校よりスカラシップを獲得した選手は中学卒業後、留学の際に本プロジェクトより奨学金が支給(対象は1名)される予定だ。

選抜された選手達は、アメリカ行きのチケットを手に入れたことに喜びをかみしめる様子や、こ こまで選手たちを支えてきた親や所属チームのコーチへの感謝を実感し、以下のようにコメントしている。

越圭司
アメリカでバスケットができることを想像したらとても興奮した。

イヘツ グットラックチネドゥ
とてもうれしくて、なにも考えられなかった。親への感謝の気持ちだけは忘れないようにしようと思っ た。

恒岡ケイマン
選ばれたのは本当にうれしかった。トライアウトを勧めてくれたチームのコーチにも感謝したい。

昨年同様にコーチを務めたSpaceBallMagのBANG LEE氏、KAGO BASKETBALL SCHOOLのMARU氏、発起人であるサン・クロレラ代表取締役社長の中山太氏らGLOBALLERS実行委員会により、関東と九州でのキャンプにおいて選考が行われた。

世界が求めるリーダーシップ

関東ではインターナショナルな選手が所属するYokohama International SchoolやTokyo Samurai U18と試合が行われた。自分たちより年齢や体格などに差がある選手たちにイヘツ・グットラックチネドゥは「Tokyo Samurai、Yokohama international schoolに負けたおかげで、自分の課題点を見つけることができた」と闘志を燃やす。また、越圭司はこの試合での課題として「フィジカル面で圧倒されて、身体の強さが必要だと感じた。思った以上にうまくいかなかった」と振り返る。コーチのBANGLEE氏も「フィジカル」を課題に挙げていたが、それ以上に『リーダーシップ』が欠けていることを危惧していた。

外国籍コーチによるワークアウトではすべての指示が英語で行われ、指示を聞き取ることができる選手はかなり限られていた。 日本人ではないコーチのもとプレーをすることは大半の選手が初めての経験であり、それに戸惑い尻込みしている様子が見られた。片岸将人は「すべての英語を聞き取ることはできないから理解できる単語を拾って取り組んでいましたが、分から ないことも多くありました」と、英語でのコミュニケーションの難しさに本音を漏らした。

BANGLEE氏はその様子を見ると、「誰か英語が分かるならリーダーシップを取ってシェアする。リーダーシップがないやつは試合に出ることはできない」と、選手たちにコミュニケーションを互いで取り合うことを指示し続けていた。これを受け、後藤正利は「バスケットボールだけではなく、上手くなるための心構えが足りないと感じた。1番足りないと感じたのは、コミュニケーションの部分です」と反省し、「もっと自分の中のバスケットボールの常識を変えないといけないと思える、良い機会だった」と、自身の考えの変化を明かした。 また 大森来玖も「いつもとは違う雰囲気と指示で、声を出す事の大事さがはっきり分かった。アジャストする為に 一言も聞き漏らさない様にしていたので、緊張感がすごかった」と明かした。

短い期間ではあったが、須田拓はコーチの指示によって普段の生活にも変化が表れたという。「一つひとつのことを具体的に指示してくれるので、とても分かりやすいです。BANGLEEさんが、コンタクトを嫌がる選手はいらないと言っていたことが頭に残っていて、その後から、家で食事の量を増やしたり、筋力トレーニングをしたりなど、身体作りを頑張るようになりました」

GLOBALLERS

全国屈指の強豪校が見せる「雰囲気作り」

九州では福大附属大濠高等学校、福岡第一高等学校でゲームを中心とした合同練習を実施。 高校バスケットボール界でもトップクラスの選手とのプレーに大森は「あこがれの高校で、トップレベルの力強さやスキルを身を持って体験でき、目標が明確になった」 と振り返る。恒岡は「高校生のスピードや高さを感じて自分ももっと練習して上を目指してがんばろうと思いました」と、気を引き締めた。 またパワーやスキルだけでなく「チームを盛り上げる雰囲気作り」にも圧倒されたという。

須田は「オフコートで、挨拶などの礼儀がしっかりしていてすごいと思った。 大濠さんの、練習中に出す声が一番心に残っていて、盛り上がるのはもちろん、指摘し合っていてとても勉強になった」と感銘を受けたようだ。 また片岸も「福岡第一さんと大濠さんどちらとも、試合中だけでなく練習の雰囲気がすごいと感じ た。大濠さんの一人ひとりの熱量や、発している声が中学生とは全然違っていて、厳しい練習でも楽しそうにしていた。福岡第一さんとの試合では、高校トップチームの展開の速さを体感することができた」と、2校のチームとしての完成度の高さを振り返った。

『GLOBALLERS MENTALITY』

TEAM GLOBALLERSでの活動を終えて、選手たちは世界へ挑戦する心「GLOBALLERS MENTALITY」を携え、9月に海を渡る。アメリカを体感できる絶好の機会であり、大きなチャンス。選手たちはそれを存分に楽しみ、自分ら しさを出し切って欲しい。それがきっと自分のため、応援してくれた家族や友人、海外遠征メンバー から漏れてしまった仲間のためにもなるはず。 最後にそんな彼らに渡米の意気込みを聞いた。

須田拓
行きたくても行けなかった人がいることを忘れては行けないし、今まで自分を成長させてくれた方々への感謝の気持ちを持ってプレーしていきたい。自分より身体が大きい人しかいない中で、持ち味でもあるスピードのあるドライブとパスで、アメリカの選手を翻弄したい。

後藤正利
身体能力が高いアメリカの選手とバスケができることは、なかなか経験できないことなので、今の自分がどれだけ通用するかたくさんチャレンジしたい。

越圭司
どれだけ自分が通用するのか。アメリカでの空気感に触れ、実践し、挑戦したい。受け身にならず、スカラシップを獲得できるようアピールしたい。

大森来玖
ハングリー精神を常に持ち、自分ができるベストパフォーマンスで爪痕を残す!

片岸将人
中学生がアメリカでできるというのはとても貴重な経験なので、この経験を無駄にしないようにチャレンジすることを続けていきたい。また、英会話で習った英語を使って、試合中にたくさん コミュニケーションを取っていきたいと思う。そして、今の自分のプレーがアメリカに通用するのかを試し、自分のプレーを改善していく機会にしたい。

恒岡ケイマン
アメリカで生まれて、7歳までアメリカにいたけど、日本でバスケットを学んだ事をどうやってアメリカで魅せることができるか楽しみ。レベルの高いアメリカで一生懸命に頑張りたい。

イヘツ・グットラックチネドゥ
自分の将来の目標がNBA選手になる事だから、今回のアメリカ遠征で少しでもその夢に近づくことができればと思います。