秋田ノーザンハピネッツ

ジョンソンのファウルトラブルから主導権を掌握

富山グラウジーズvs秋田ノーザンハピネッツの第2戦。昨日の試合で2度のテクニカルファウルをコールされたジョシュア・スミスが欠場しインサイドで優位に立った秋田が、オフェンスリバウンドで19-8と圧倒したことで80-64で勝利した。これで秋田はB1での通算勝利数が100に達した。

序盤からオフェンスリバウンドを獲得し、コルトン・アイバーソンがインサイドで力を見せ、ジョーダン・グリンがミドルシュートを沈めた秋田が先行する。それでもセカンドチャンスポイントに繋げられず、フリーの3ポイントシュートを決め切れずに突き放すことができなかった。

インサイドで劣勢を強いられる富山はブライス・ジョンソンを軸に反撃。決してタッチは良くなかったものの、ジュリアン・マブンガがフィジカルを生かしたドライブで秋田ディフェンスを崩し、ドワイト・ラモスがしぶとく得点するなど、拮抗した展開が続いた。

秋田が38-35でリードして迎えた後半も重たい展開が続く。ともにゾーンディフェンスを敷いたことで速攻の機会が減少し、外のシュートに当たりが来ずに我慢の時間が長く続いた。それでも、第1戦からタッチの良い古川孝敏がすべてのシュートを成功させて9得点を固めた秋田がわずかにリードを保った。そして残り1分、グリンがジョンソンから個人4つ目のファウルを誘発したところから、秋田に流れが傾いていった。

ジョンソンをコートから追い出した秋田はインサイドを攻め、デイビスがグリンとの合わせからバスケット・カウントを獲得。さらにグリンがゴール下を固める相手を見透かすように、フリースローラインからシュートを決め、開始約1分半でリードを2桁に乗せた。

ここで富山は4ファウルのジョンソンを戻したが、グリンに3ポイントシュートを決められ、さらにはアイバーソンにセカンドチャンスポイントを許してしまうなど、ディフェンスが機能しない。どうにか10点前後のビハインドで終盤に持っていきたかったが、シュートの名手である松井啓十郎がフリースローを2投とも失敗してしまうなど悪い流れを止められなかった。

こうして主導権を握った秋田はデイビスの速攻も飛び出すなどリードを拡大。残り3分にはアリウープを止めようとしたジョンソンをファウルアウトに追いやった。これで完全にインサイドで優位に立った秋田は直後、グリンのオフェンスリバウンドから古川が3ポイントシュートを沈め、17点差をつけて勝利を決定づけた。

秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは「昨日は後半で崩れましたが、今日は40分間選手たちがよく集中して、特に後半にまとまってやってくれたと思います」と試合を振り返った。さらに「浜口(炎ヘッドコーチ)さんもいないですし、スミス選手もいないという中で、非常にまとまっていて怖いチームだなと思いました」と話し、不利を抱えながらも長い時間で接戦を強いられた富山のポテンシャルに一目を置いた。

日本人トップとなる16得点を挙げた古川は「正直納得はいっていない」と自身のプレーについて言及。それでも、ディフェンスを修正し、反省を生かせた勝利を喜んだ。「昨日はオフェンス面より自分たちのディフェンスができなかった中で富山さんに100点に近い点数を取られてしまい、今日はディフェンスにフォーカスしようと思っていました。全員がしっかり準備できたと思いますし、コート上で表現しようと全力でプレーできたことがこの結果に繋がっていると思います」