ジャマール・クロフォード

写真=Getty Images

「どこかのタイミングで、どこかのチームにいると思う」

シックスマン賞を3度も受賞しているジャマール・クロフォードは、2018-19シーズンに向けたトレーニングキャンプが始まるこの時期になっても、契約がない状態が続いている。それでも彼には、多くのクラブを渡り歩いて築いた18年のNBAキャリアと、自分の実力への自信がある。プレーする場がない状況にも動揺することなく、地元シアトルで自主トレを続けている。

『The Undefeated』の取材に応じたクロフォードは、「オフが始まる前の段階で、ここまで長引くと思うかを聞かれていたら、きっと『そんなわけはない』と答えていただろうね」と語った。「でも、リーグや、フリーエージェント市場の動向を考えれば、特別な状況と言えるのかもしれない。何の問題もないよ」

38歳になったクロフォードだが、その実力に衰えは見られない。ただ、昨シーズン所属したウルブズでの役割は、本人も予想外のものだった。当初こそ、ベンチから試合の流れを変える『ゲームチェンジャー』としての役割を与えられるものと誰もが考えた。しかし、プレータイムは2年目以降キャリア最低の20.7分にとどまり、不本意なシーズンに終わった。

クロフォードが納得できる条件を満たすオファーが出てくるまでサインを待つのは、これが理由だ。「関心を持ってくれているチームはある」と明かしたクロフォードは、こう続ける。「今は、自分が上手くフィットして、力になれる状況を待っている状態。ただ単純にサインするようなことはしたくない」

「自分には特別な技術がある。だからこそ『上手く行くかも』ぐらいの状況で慌てて判断したくはないんだ。それは昨シーズン経験したこと。同じ過ちを繰り返したくはない」

現在も良好なコンディションを維持しているクロフォードならば、いつ声がかかってもすぐに結果を出せるはず。レギュラーシーズンは来月開幕するが、各チームの状況は、これから日々変化していく。先日セブンティシクサーズへの移籍を希望する発言をしたクロフォードだが、それもあらゆる状況が噛み合えばの話で、シクサーズへの移籍に固執しているわけではない。

しばらくはシアトルで調整を続け、家族との時間を過ごしながら、出番が来るのを待つのだろう。本人も「シーズンが開幕して、どこかのタイミングで、どこかのチームにいると思うよ」と言う。「なるようになる。今は、そういう状態だね。家族と時間を過ごせるのは良いことだよ」

『職人気質』のクロフォードは焦ることなく、自然な流れに身を任せている。