朝比奈あずさの得点で先行、一度得た優位を手放さず100点ゲームに
ウインターカップは大会5日目。今日から東京体育館は1面のセンターコートへと模様替えして、大会はこれからクライマックスへと向かって行く。今日の第1試合には桜花学園(愛知)が登場。前日の準々決勝で岐阜女子(岐阜)に67-65と競り勝った昭和学院(千葉)と対戦した。
桜花学園は出だしから、センターの朝比奈あずさが合わせのパスを呼び込んで連続得点を挙げ、相手の意識がそちらに向けば前田心咲が空いたスペースに飛び込む、バランスの良い攻めで先行する。一方の昭和学院は出だしで受け身に回ったが、崩れることなくディフェンスを引き締め、田嶋優希奈がタフな3ポイントシュートも沈める8得点もあって追いかける。桜花学園が10点前後のリードを保ってはいたが、昭和学院の粘りも目立つ序盤の攻防となった。
それでも第2クォーターに入って桜花学園がリードを広げていく。それぞれが1対で高いディフェンス力を見せ、崩されても瞬時に立て直してチャンスを与えない。オフェンスでは出だしに好調だった朝比奈にボールを集めず、伊波のゲームメークから前田に平下結貴、横山智那美と多くの選手がシュートを打ち、的を絞らせないことで昭和学院を再び受け身に回らせた。
選手個々の能力で大きな差はないはずだが、桜花学園は攻守にイニシアチブを取り続けることで昭和学院から積極性を奪う。昭和学院は苦しい中でも個々での打開に走らず、チームとしてまとまった戦いを続けるのだが、桜花学園のプレッシャーを押し返すには至らない。こうして打開策を見いだせないまま、34-54と点差が開いて前半を終えた。
後半も桜花学園が主導権を握り続ける。昭和学院は田嶋や花島百香がボールへの執着心を出してチームメートを鼓舞するのだが、速攻やセカンドチャンスポイントと良いプレーが出ても桜花学園はタイムアウトで流れを切り、玉川なつ珠のディープスリーでやり返して流れを渡さなかった。
平下結貴「明日もどんどんシュートに向かいたい」
第4クォーター残り4分を切ったところで得点を100に乗せた桜花学園は、ベンチメンバーをコートに送り出した終盤も悠々と乗り切り、110-72の完勝を収めた。
長門明日香アシスタントコーチは「昭和学院さんはすごく勢いがあったので、まずはその勢いを出さないように、気持ちの部分をしっかり。リバウンドを取らせてしまうと流れが良くなっていたので、全員でリバウンドを取って前に走ることを意識しました。ディフェンスとリバウンドが機能して、チームのやりたいことができた」と語る。
25分半の出場で16得点を挙げた平下結貴は「ディフェンスの後に走る、走るだけじゃなくてポジションやコートのバランスを意識しながら走ることを練習してきました。そこでブレイクが出たのが良かった」と試合を振り返る。また個人としては「昨日はジャンプシュートが入らなくてドライブで切り替えましたが、今日はスリーもジャンプシュートも入ったので、それを自信にして明日もどんどんシュートに向かいたい」と、すでに明日の決勝へと意識を切り替えていた。
ウインターカップ女子の決勝は明日12時から、京都精華学園(京都)と大阪薫英女学院(大阪)の勝者と対戦する。