「ウチは3ポイントシュートよりも2点」
ウインターカップ4日目、ベスト8が出揃った女子はメインコート行きを懸け、準々決勝が行われた。
京都精華学園(京都)vs安城学園(愛知)の一戦は、強力な2人の留学生プレーヤーを擁し、インサイドの優位性を生かしつつ他の選手も持ち味を生かした京都精華が112-81で勝利した。
京都精華は山本綱義コーチが「緊張しすぎて何をすればいいか分からない状況だったので一旦戻しました」と語ったように、調子が上がらなかった先発のイゾジェ・ウチェを開始2分でベンチへ下げた。それでも、控えのディマロ・ジェシカが9得点を挙げるなど、彼女の穴を完全に埋めた。
安城学園は正確なアウトサイドシュートと精度の高い連携プレーで対抗。特に留学生プレーヤーとマッチアップする選手が積極的に3ポイントシュートを放ち、オフェンスリバウンドで上回るなどセカンドチャンスポイントで繋いだ。
それでも主導権を握ったのは京都精華で、前半を瀬川心暖のブザースリーで46-37として締めくくる。後半に入ると、京都精華がインサイドから得点を伸ばした一方で、安城学園は前半には当たっていた3ポイントシュートが決まらなくなる。開いていく点差を3ポイントシュートで縮めようとするのだが決まらず、確実に2点を積み重ねる京都精華との差が開いていった。
イゾジェとジェシカはタイムシェアをすることでガス欠に陥ることなく常にフレッシュな状態でプレー。また、2人は高さだけでなく、速攻のフィニッシャーになれる機動力も持ち合わせ、ペイントエリアで得点を量産した。また、留学生プレーヤーへの警戒が強まれば、前半だけでダブル・ダブルの活躍を見せた八木悠香がポストプレーで力強さを発揮し、瀬川も確実にアウトサイドシュートを射抜くことで安城学園を突き放していった。こうして第3クォーターを38-22と圧倒した京都精華がそのまま押し切った。
山本コーチは勝因をこのように語った。「後半に安城さんのシュートが入らない状態になり、付け入る隙を与えてもらった。ウチは3ポイントシュートよりも2点。流れの中で2点を取っていこうとずっと言ってきたので、3ポイントシュートに頼らなかったのが成功したんじゃないかと思う」
高さでアドバンテージを持つ京都精華はインサイドにボールを集め、イゾジェとディマロの2人で57得点を奪った。また、3ポイントシュートの試投数は安城学園の64本(15本成功)に対し、14本(4本成功)と少なく、山本コーチが言うように確実な2点シュートを重視したスタイルが快勝を生んだ。