「練習を重ねて少しでも試合に出られるように頑張っていきたい」
日本大学1年生の米須玲音は、昨シーズンに続いて特別指定選手として川崎ブレイブサンダースに加入した。今節の大阪エヴェッサ戦からベンチ入り登録されると12月24日、25日と試合残り10秒からであったがコートに立ち、24日の試合では持ち味の鋭いドライブからのシュートフェイクでディフェンスをかわし得点を挙げた。
25日の試合後、2年目となる川崎での特別指定生活のスタートを米須はこう振り返っている。
「昨日と今日、試合に出させてもらえました。両試合とも残り10秒からで、昨日は点数、アシストのどちらかをすると決めて最終的に得点を決めることができたのは良かったです。今日は何もできずに終わりましたけど、これから練習を重ねて少しでも試合に出られるように頑張っていきたいです」
去年の米須はクリスマスの時期、東山高校の大黒柱としてウインターカップで大暴れしていた。あれから1年、今年の彼が立っているコートは高校生の大会ではなく、国内最高峰のB1となり、心境も次のように変化している。
「昨年は高校の舞台でバスケットボールをしてすごく楽しかったです。今年は川崎でプレーしていて、楽しさというよりも学ぶことを学んでもっとレベルの高いバスケットボールをしたいと思います」
また、次のテーマを持って取り組んでいる。「去年の終わりからこの1年間にかけて、ディフェンスを中心に意識しながら練習に取り組んできました。それを今回、川崎でもう一つレベルアップしていきたいです」
さらに「試合に出たい欲はすごくあります」と力強く語る。大学1年生で未だ10代の米須だが、今シーズンの彼は日大を春の関東大学トーナメントでの優勝、秋のリーグ戦2位の好成績に導く立役者となった。間違いなく大学屈指のガードと評価されるパフォーマンスを披露し、高校時代から着実にレベルアップしている姿を見せている。だからこそ同じ関東リーグ1部の舞台で戦っている大東文化大3年の高島紳司が大阪に加入し、25日に自身の目の前で23得点の活躍を見せたことに「今回、高島さんがすごく活躍されていて、その姿をみて自分も試合に出たい思いは強く感じました」と大きな刺激を受ける。
今の米須は勝敗が決した場面でコートに立つことで満足はしない。「出るだけでは意味がないです」と内容にもこだわりを見せる。「自分が得意としているアシストでチームのプラスになりたい。いざ試合に出た時は自分のやれること、与えられた役割をしっかりやっていきたいです」
図らずも25日の川崎は、ボールムーブが停滞する単調なオフェンスが目立ったことも影響し、大阪に敗れた。パスを素早く散らすことのできる米須がコートにいたら流れが変わるのではないか、と感じる場面は少なからずあった。2度目の特別指定で米須がどんな足跡を残すのか。まずは今シーズンの初戦、わずか10秒の機会で見せた輝きをもっと披露できるプレータイムを彼が勝ち取ることを期待したい。
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