河村勇輝&キング開

河村勇輝「勝利に直結するようなプレーをやっていかなければいけない」

横浜ビー・コルセアーズは昨日、琉球ゴールデンキングスとのホームゲームを戦い、接戦の末に79-81で敗れた。それでも12月に入って川崎ブレイブサンダースや千葉ジェッツに大敗していたチームが、西地区首位の琉球に最後まで競った試合を演じられたことは一歩前進と言える。

この試合は専修大のキング開、東海大の河村勇輝というインカレで主役を演じた2人のデビュー戦でもあった。昨シーズンに続き特別指定で加入した2人は、河村が18分半のプレーで4アシスト2スティール、キングが3分半の出場。試合後、2人は入団会見を行っている。

背番号を0から5に変えた河村は「心機一転で頑張りたいのと、今こうしてプレーできるのも東海大で培ったものがあるからこそ」と、東海大と同じ番号を選択している。

「見てもらいたいのはアシストであったりアグレッシブなディフェンス、泥臭いルーズボールのところ。練習から刺激をもらえるガードの先輩がたくさんいる中で試合に出るためは、自分の特徴を理解して発揮するのが大事。自分のスピードを生かしたプレー、前線からディフェンスでチームを鼓舞するのが自分のやるべきことなので、今はそれを全うするだけです」

そう語る河村は、福岡第一から東海大、そして特別指定で加わった三遠ネオフェニックスとビーコルを通じて貫く『勝利にこだわる姿勢』を強く打ち出す。再デビュー戦のパフォーマンスについて「合流4日目でやるべきことは限られていますし、熱いディフェンスに重点を置いて、オフェンスはできる限りのことをやろうとする気持ちがあった」と前置きしつつも、こう続けた。

「大事な場面でのターンオーバーは安定感を欠いたし、それは若いからと言って許されることではないので、慎重にならないといけない。この試合で西地区首位のチームと戦えたことは自分たちにとってステップアップできる部分。でも勝負事は接戦で負けても大差で負けても同じで、勝ちきる力が大事。自分が勝利に直結するようなプレーをやっていかなければいけない」

「海外のリーグだと20歳前後でトップで活躍する選手もたくさんいて、自分もやっていかなければいけない気持ちはある。何がと言うよりすべてのスキルを一段階上げないといけないし、できるだけ早く日本代表でプレーしたい気持ちがある。そのためにビーコルの試合でたくさん経験して吸収して成長していきたい」

河村勇輝&キング開

地元出身のキング開「横浜でプロ選手になれてうれしい」

キング開は地元出身かつユース育ちの選手。開口一番に「横浜でプロ選手になれてうれしい」と語り、竹田謙GMから「人間性の部分で僕を欲しいと、そこを熱く言われたことがこのチームに来ることを決めた理由です」とビーコル入りの理由を語った。

「ユースの時からここで試合を見て、今は声を出せないですけどB-CLAP(拍手)で試合に勝ちたい熱い思いが伝わってきて、バスケしてとても楽しい気持ちになるし責任感も生まれるので、自分にとってはやりがいがある」と、チームやブースターとの結び付きは地元ならではの強さを感じさせる。

「練習中からレベルが高くて、僕もガードを始めてまだ数年なので学ぶことがたくさんあるんですけど、みんなから吸収しながら自分の持ち味である身体能力だったり、サイズを生かしたプレーを出していけば、他の選手にできないことが自分にできるとのアピールになるし、チームへの貢献にもなっていく」

河村がすぐさまローテーション入りを果たした一方で、キングはプレータイムが短いところからのスタート。それでもデビュー戦からアグレッシブな姿勢を貫いた。「ディフェンスの部分、走る部分は意識すればできること。チームのルールを理解して、シュートチャンスは外してしまったけど、自分が積極的に攻める姿勢を出すことでチームに勢いがつけばと思いました。勝ちきれなかったので、明日はしっかり勝って次に迎えるようにやっていきたい」

「代表選手として日本を背負って戦いたい。海外にも挑戦したい気持ちがありますが、自分に足りないスキルはたくさんありますし出し切れてもいない。ビーコルでスタート地点に立ったところなので、たくさん吸収して夢を少しでも実現に近づけたい」とキングは言う。

今シーズンの横浜は前節で滋賀レイクスターズに勝つまで9連敗があり、7勝15敗と大きく負け越している。しかし、森川正明が日本人エースの地位を確立し、若手も多いチームの伸びしろは大きい。ここに加わった河村とキングがチームの勝利にどこまで貢献し、Bリーグでの経験を得てどう成長していくのか。期待を込めて見守りたい。