先発5人中4人が190cmを超えるサイズのアドバンテージを攻守に生かす
ウインターカップ3日目、昨年度王者の仙台大学附属明成(宮城)が北陸(福井)と対戦した。佐藤久夫コーチが「舞い上がっているように感じました」と語ったように、序盤は固さが見られたが、時間が経過するにつれて調子を上げ、前評判通りの力を発揮し、98-48で初戦を突破した。
先発の5人中4人が190cmを超える大型ラインナップの明成は攻守でそのアドバンテージを生かす。オフェンスリバウンドからのセカンドチャンスを奪い、インサイドでの得点も上回った。ディフェンスではゴール下への侵入を許しても誰もがリムプロテクターとなり、イージーシュートを許さない。だが、強豪の北陸も意地を見せる。下地秀一郎が切れ味鋭いドライブで得点し、秋山朋輝が高確率で3ポイントシュートを決めて食らいついていった。
第1クォーターを11点リードで終えた明成だが、ゴール下まで押し込むもフィニッシュが決まらず、また3ポイントシュートの確率も上がらずに第2クォーター開始2分で4点差にまで迫られた。だが、ここから明成が真の力を発揮した。
ディフェンスの強度を上げてタフショットを打たせると、トランジションに移行しペースアップを図る。ボールをプッシュし、そのままフィニッシュするシーンもあれば、アーリーオフェンスから3ポイントシュートを射抜くなど様々なバリエーションで得点していく。ウィリアムス・ショーン莉音がインサイドで力を発揮し、菅野ブルースはドライブを中心にスコアしていく。内藤晴樹が3ポイントシュートを連発すれば、山﨑一渉もアシストだけでなく、スクリーンプレーから連続で3ポイントシュートを沈めた。こうして攻守が噛み合った明成は53-27と大量リードを奪い、前半で勝負を決めた。
佐藤コーチは「あまり固くならないように行こうと言ったことで、逆に固くなったみたい」と、本調子ではなかった序盤のパフォーマンスについて言及したが、1年生ながら先発を務めたショーン莉音のパフォーマンスを高く評価した。「1年生のショーンが大胆にやってくれていた。それが3年生に『俺もやるぞ』という勇気を与えてくれたような気がする」
出だしは初戦特有の固さが見られたが、終わってみれば50点差の大差をつけて勝利と、前年度王者が優勝へ向け、上々のスタートを切った。