【スタッツで見る】日本代表の強化にBリーグは貢献できているのか、「日本人選手の活躍」をチェック

2016/10/12
Bリーグ&国内
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文=泉誠一 写真=B.LEAGUE

開幕から6試合、2桁得点を記録した日本人選手は66人

Bリーグの成功と失敗を分けるのは観客動員だけではない。Bリーグは「日本代表の強化」という役割も担っている。その成果の表れとなるのは日本人選手の活躍だ。その点に期待してBリーグを見れば、日本人選手が積極的に得点する機会が増えたような印象を受ける。これまでの6試合で、1試合でも2桁得点を挙げた日本人選手(帰化選手を除く)は66人もいた。

さらに1試合20得点以上を記録した選手は前節の三遠ネオフェニックス戦で39点を挙げた細谷将司(39点/横浜ビー・コルセアーズ)を筆頭に11人。このうち金丸晃輔だけが20得点以上を2度記録している。

39得点    細谷将司    横浜
26得点    金丸晃輔    三河
25得点    鹿野洵生    三遠
24得点    西川貴之    北海道
24得点    川村卓也    横浜
24得点    城宝匡史    富山
23得点    安藤誓哉    秋田
23得点    小野龍猛    千葉
21得点    喜多川修平    琉球
20得点    中東泰斗    名古屋
20得点    岡田優介    京都

個人的な印象とは裏腹に、昨シーズン平均10得点以上を決めたのは16人だったのに対し、始まったばかりの現時点では19人と3人しか増えていなかった。しかし、その顔ぶれは目新しく、実に12人が昨シーズンとは異なる。逆に、比江島慎(シーホース三河)や辻直人(川崎ブレイブサンダース)など日本代表のエースたちがまだ平均2桁得点に達しておらず、彼らが本領発揮となれば、この人数はさらに増えていくはずだ。

日本人選手の得点が増加する3つの要因

選手の得点が上向く要因としては、大きく3つある。まずは「プレータイムの増加」、続いてヘッドコーチの交代や選手の移籍による「起用法の変更」、そして「経験値の向上」だ。選手のシュート力がいきなり向上するのは稀なこと。ポテンシャルの高い選手が集まるトップリーグで、その素質をコート上でより発揮できれば、自ずと結果がスタッツに表れる。今シーズン、特に得点を伸ばしている3選手を例に挙げてみよう。

笹山貴哉
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

(昨シーズン)
平均出場時間16.8分/平均得点5.2点
(今シーズン)
平均出場時間32.8分/平均得点14.7点

ルーキーシーズンに経験を積み、迎えた2年目のシーズン、ヘッドコーチからの信頼を勝ち取ったことでプレータイムが倍増している。大学時代からジャンプシュートを確実に決める堅実さが持ち味であり、その個性がうまく引き出されている。結果、得点は3倍近くまで伸びている。6試合を通して安定した活躍を見せる笹山の躍進が、チームの西地区首位という結果に繋がってもいる。

安藤誓哉
秋田ノーザンハピネッツ

(昨シーズン)
平均出場時間: 6.4分/平均得点:2.3点
(今シーズン)
平均出場時間:33.2分/平均得点:11.8点

昨シーズンは栃木ブレックスでプレー。田臥勇太や渡邉裕規といった実績あるガード陣の中でなかなかプレータイムをつかめなかった。だが、秋田ノーザンハピネッツに移籍したことでスターターを任され、本領を発揮。古巣との対戦となった開幕戦では18点を挙げて秋田を勝利に導き、栃木の指揮官であるトーマス・ウィスマンに「彼を手放したのは賢い判断ではなかった」と言わしめた。その後のアルバルク東京戦でも23得点5アシストを記録。もっとも、開幕戦以降チームは勝ち星から遠のいており、個人スタッツとともにチームを勝利に導けるかどうかで真価が問われる段階に来ている。

田渡修人
三遠ネオフェニックス

(昨シーズン)
平均出場時間:11.5分/平均得点:4.1点
(今シーズン)
平均出場時間:27.0分/平均得点:10.7点

開幕戦から劇的な逆転シュートを決め、川崎ブレイブサンダースを倒したことで一躍ニューヒーローとなった。ヘッドコーチが藤田弘輝に変わった今シーズンは先発で起用され、まだまだ進化を遂げるポテンシャルを秘めている。

元日本代表の点取り屋として名を馳せた川村卓也や岡田優介(京都ハンナリーズ)が新天地で復活の兆しを見せているのもうれしい。岩手ビッグブルズから仙台89ERSに移籍した石川海斗は、出場時間は変わらないが平均10.8点と得点を倍増させている。千葉ジェッツの富樫勇樹もプレータイムが増えたことで平均12.7点と輝きを取り戻した。

Jリーグがスタートした時とは時代が違い、名前だけで観客が呼べる世界的ビッグネームの外国籍選手を獲得できなかったBリーグだが、それでも現段階では2桁得点を挙げる53人のうち、6割以上の34人を外国籍選手(帰化選手含む)が占めている。特に各部門のスタッツの上位はほぼ外国人に独占されていると言っていい。

日本代表を強くするためには、Bリーグにおいて日本人選手がゲームを支配していくことが求められる。スタッツで言うとやはり得点だろう。ここを外国籍選手任せにせず、自らアタックしていくことが大事。もっとも、その成果が少しずつ見られており、今週末も全国各地で繰り広げられる熱戦の中で、日本人選手がそのポテンシャルを十分に発揮することを期待したい。