文=鈴木健一郎 写真=(C)TOYAMA GROUSES

連敗後に語った「フラストレーションはかなりあります」

昨シーズンのbjリーグ準優勝チームが、Bリーグで苦戦を強いられている。富山グラウジーズは開幕戦こそホームで新潟アルビレックスBBに勝利したものの、その後は5連敗。先週末は初めて旧NBL勢の渋谷サンロッカーズと対戦したが、2試合とも見せ場を作れないまま敗れた。

キャプテンを務める城宝匡史は、劣勢の中で何とか反撃の手がかりを見いだそうと様々な手を尽くしたが、運動量とスピードで相手に上回られ、攻撃でも守備でも振り回されてしまう展開を変えることはできなかった。

試合後、城宝は険しい表情で「フラストレーションはかなりあります」と語る。「準備期間が1週間あるのに、しっかりと準備できないまま、試合だけで何とかしようとしているのが現状です。このレベルでそれでは絶対に無理です」

敗因は個々のプレーではなく、チームの完成度が必要なレベルに達していないこと。今夏、夫人を亡くしたことでボブ・ナッシュヘッドコーチのチーム合流が遅れた。ロスターの半数が入れ替わる状況で、影響は避けられなかった。

城宝は言う。「コーチの合流が遅れたのもありますが、今から作り直しです。これから何とかしなきゃならない。まずは一週間で準備して、それを次の試合で出すこと。練習の姿勢から変えていきます」

「一人でやってもダメ、みんなで臨機応変にやらないと」

城宝自身も開幕から苦戦が続いており、各スタッツも昨シーズンより落としている。ポイントガードからシューティングガードにポジションを変えたことでの苦労もあるのだろう。「そこはコーチの判断なので、与えられた仕事に徹します」と城宝は言う。「本当はもう少し去年のようなプレーをしたいという気持ちもありますが、そこは求められていないので。コーチに要求されたプレーをするだけです」

「シュートタッチはそんなに悪くないのですが、2番ポジションだとサイズの大きい選手につかれるので、そこを打開しないと。そこは自分のプレーを変える必要があります」

この点はbjリーグからBリーグへ変わったことへの『適応』が求められるところだ。「サイズが大きい選手につかれるのはbjではなかったことなので、ちょっと苦労したのと、ディフェンスのやり方も違うので、先読みされてプレーが後手に回っています。そこで裏をかくプレーが必要となってくるのですが、これは一人でやってもダメなので。みんなで臨機応変にやらないと」

いずれにせよ、このままで終わるつもりはない。「自分たちがやりたいバスケットが何なのか、この一週間でちゃんと準備します」と城宝は言う。今週末はホームに戻り、横浜ビー・コルセアーズを迎え撃つ。「次はホームなので……この前もホームで連敗しているんですけど、絶対に勝たなきゃならないと思っています。切り替えるしかないです」