東海大学付属福岡

東海大学付属福岡は3年連続のウインターカップ出場を決めた。チームの中心は198cmと圧倒的なサイズを誇るセネガルからの留学生、ファール・アミナタだ。敗れはしたものの、福岡大学付属若葉との決勝戦でも制空権を支配し、30得点15リバウンドを記録した。藤井心咲はそんなアミナタの成長を一番近くで見守ってきた、頼りがいのあるキャプテン。藤井は県予選決勝の敗戦を引きずるも、アミナタはポジティブに前を向く。目標であるウインターカップベスト8の達成は、そんな凸凹コンビのパフォーマンスに懸かっている。

藤井「アミナタは1年生の時よりも精神的に成長している」

──まずは自己紹介をお願いします。

藤井 キャプテンでポイントガードの藤井心咲です。ドライブとジャンプシュートが得意です。

アミナタ ファール・アミナタです。得意なプレーはゴール下です。

──福岡県予選では決勝戦で若葉に敗れてしまいました。

藤井 夏も若葉さんに負けてしまい、リベンジできるように個人練習に励んできました。コーチや3年生も含めて全員で話し合って戦ってきたんですけど、ウインターカップ出場をかけた精華戦に力を入れ過ぎてしまっていた部分もあったと思います。ウインターカップに出場するということを通過点にして、決勝戦に向けてもっと準備をしなければいけなかったと思います。

アミナタ でも、まだウインターカップがあるから、次に向けてみんなで頑張っていきます。

──藤井選手はアミナタ選手の成長をどのように見ていますか?

藤井 最初は練習をやっている中で感情が伝わらなかったり、なかなかコミュニケーションがうまく取れずに苦労しました。アミナタがキツいんだなとは思っても、倒れそうになるくらいまでキツいというのは気づけなかったりしました。今はチームの代表として戦っているという責任感もあって、練習中にキツいとは言うけど、表情には出さないようになったと思います。1年生の時よりも精神的に成長しているなってすごく思います。

アミナタ 1年生の時はキツい練習が初めてで、みんなにできると言われても「できない」って言っていました。今は2年生になって、できると言われたら自分の中でもできるって自信がついてきました。

東海大学付属福岡

「チームでもコミュニケーションが取れていて楽しいです 」

──先ほど、コーチや3年生も含めて全員で話し合ったと言っていたように、コーチに自ら話し合いの提案をしたと聞きましたが、どのような経緯でそのような行動をしたのでしょう?

藤井 トップチームとセカンドチームで分かれているときにセカンドチームはアシスタントの黒木コーチと一緒に戦術だったり、もっとこうしたらいいという案が出ていて、良いチームになってきていました。でもトップチームでは選手だけしか話し合っていなかったので、宮崎コーチがどう思っているか、どうしていきたいのかということも分からない状況でした。エースの神森(祐里)と「先生の意見も聞いてみたくない? そうしたらもっと良いチームになっていくよね」という話をして、コーチにも聞いてみようと思いました。

宮崎先生は自分たちから聞きにいかないと教えてくれないタイプだとは思っていました。でも絶対に勝ちたいという意思を見せたら先生もそれに乗ってくれると思っていたので、勝ちたいという気持ちを優先して勇気を振り絞りって、話をしにいきました。

──こうして団結力が生まれ、チームの雰囲気はさらに良くなったのではないでしょうか?

アミナタ みんな優しいし、3年生や先生たちも声をかけてくれて、チームでもコミュニケーションが取れていて楽しいです。

藤井 めっちゃお互いをいじり合っています。アミナタだったら鼻がニンニクみたいだからニンニク鼻って言ったり(笑)。

アミナタ 彼女は小さくて速い、セネガルのキリクさんっていう男のキャラクターに似ています(笑)。

藤井 アミナタは細いからいっぱい食べないと身体ができないのに、ちょっと減らしたり、嫌いな食べ物は私たちが見ていないうちに違うお皿に入れたりしてくるんです(笑)。

アミナタ 日本語分かりません。難しいです。

──昨年もアミナタ選手に話を聞きましたが、かなり日本語が上手になっていますね。

アミナタ 日本語まだ下手くそです。日本に来て一番最初に覚えた日本語は「ありがとう」と「分かりません」で、最近「マジ卍」を覚えました。

東海大学付属福岡

「東海らしいプレーが全国に広まるように」

──ウインターカップまでの過ごし方、対戦したいチームがあれば教えてください。

藤井 去年は福岡県1位でウインターカップに出場したんですけど、今年は福岡県2位でウインターカップに出場することになりました。若葉さんに負けた悔しさをコートの中で表現して、若葉さんより良い成績を残したいと思っています。チームの目標が全国ベスト8なので、そこに向けてまたイチからどういうところがダメだったのか、どうしたらもっと良いバスケットができるのかを考えながら、厳しい練習をしています。チーム全員でお互いを高め合いながらやっていけたらと思っています。

アミナタ ウインターカップでは試合にいっぱい勝ちたいので、練習も試合もモチベーションを高くしてやっていきたいです。

藤井 インターハイで若葉さんが桜花学園さんにダブルスコアで負けた試合を見ていました。自分たちだったらどうなっていたのかを考えていましたが、実際にやってみないと分からないので桜花さんとはやってみたいです。

──あらためて、最後にウインターカップへの意気込みをお願いします。

藤井 チームとしては全国ベスト8が目標なんですけど、チームの色はディフェンスなので、ディフェンスを強化して東海らしいプレーが全国に広まるように頑張っていきます。

アミナタ ウインターカップではいっぱいリバウンドを取って、日本一になれるように頑張ります。