タレント集団へ変貌したバスケ日本代表を操る富樫勇樹「コントロールをより意識」

2018/09/16
日本代表
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富樫勇樹

文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com、©JBA

数字は意識せず「ガードとして誰にボールを集めるか」

昨日の昼に、バスケットボール男子日本代表はカザフスタンから帰国した。それでも明日にはイラン戦が控えており、気を抜くことのできない時が続く。

1次予選は東アジアとオセアニアの国々が相手だったが、この2次予選の相手は中央アジアのカザフスタン、中東のイランとカタールと、遠征の距離が伸びて便も悪い。先発ポイントガードとしてプレーする富樫勇樹は、2次予選を戦う上でのポイントに、ホーム&アウェーでの連戦をどうこなすかを挙げていた。

その富樫は、長旅を終えた疲れよりも安堵の表情を見せていた。「すごく疲れたって気持ちはないですけど、次の試合の2日前の朝に、飛行機で一夜を過ごして戻って来るというのは普段の試合では絶対ないことなので。それでも実際に移動している時は大変ですけど、着いた今は『日本に帰って来れてうれしい』という気持ちが疲れを上回っています。日本にいる安心感があって、次は日本の皆さんの前でプレーできるし、そこは気持ち的にプラスです」

カザフスタン戦を「しっかり勝って帰れたことは良かった」と振り返る。「12人で練習する時間があまりなかったし、正直なところカザフの練習環境もあまり良くなかったんですけど、それでもしっかり準備ができたし、それは試合にも出たと思います」

23分の出場で9得点4アシスト3スティール、ターンオーバーは1つだけ。それでも富樫は代表ではスタッツを意識しないと話す。「Bリーグと代表では、自分の働きは同じようでちょっと違うと思っています。数字は全く気にせずやっていて、打つべきところで打つことは意識しますけど、ガードとして誰にボールを集めるか、試合の流れによってそれを意識しています。そういう面では良くない時間帯もありましたが、ちゃんとチームをコントロールできたと思います」

この点では、かつて代表の絶対的なポイントガードだった『Mr.バスケットボール』佐古賢一アシスタントコーチの指導によるところも大きいと富樫は言う。「代表なので当たり前ですけど、各チームのエースが集まっています。全員が起点になれるので、そこは全員にパスを出すことを意識しています」

男子日本代表

「勝つのと負けるのとでは楽しさは何倍も違います」

そんな中、Window3ではニック・ファジーカスと八村塁が、このWindow4では渡邊雄太がチームに加わり、彼らにパスを出す富樫は代表でのプレーを存分に楽しんでいる。「彼らが入ってチームのレベルは格段に上がったし、オフェンスでもディフェンスでもプレーの質は良くなっていると思うので、やっている側としてはすごく楽しいです」

「それと──」と富樫は言葉を切って楽しそうに笑う。「やっぱり勝てているので。勝つのと負けるのとでは楽しさはもう何倍も違いますから」

だからこそ、明日のイラン戦にも必勝の気合いで臨む。「カザフスタンには勝ちましたがイランはまた別格のチームです。雄太と塁がいるからと言って簡単じゃないし、自分たちが良いパフォーマンスをしてもどうなるか分からない相手だと思います。だから良い準備をするのが大事ですが、練習時間もほとんどない中での試合になるので、ここは本当に気持ちの部分が結果に一番出るのかなと思います」

「今回はホームでのイラン戦で、アウェーとは別で負けられない戦いです。皆さんの声援、後押しを受けて、絶対に勝ちたいです」

勝てば2次予選の戦いがグッと楽になる、負ければ崖っぷちに追いやられる大一番のイラン戦は、明日17時ティップオフとなる。