古川孝敏

「若い頃から代表として戦うことが夢だった」

バスケットボール日本代表は11月27日、28日に行われるワールドカップ予選のWindow1、中国との2連戦に向けて強化合宿を進めている。

メンバーがほぼ固定されていた前フリオ・ラマス体制からトム・ホーバス新体制になったことで、これまでは代表に縁のなかった選手が多数選出されている。それと同時に古川孝敏のような『代表復帰組』も存在する。

2018年のワールドカップ予選でベンチ入りしたのを最後に代表から遠のいていた古川は、代表復帰の喜びをこのように語った。「若い頃から代表として戦うことが夢だったので、そこを目指すチャンスがあるというのは僕にとって本当にありがたいことです。ヘッドコーチもトム(ホーバス)さんに変わり、新しいバスケを構築していく中で自分の良さを最大限に出しながらアグレッシブにやっていきたいです」

34歳の古川は今回のメンバーの中では竹内公輔に次ぐ年長者となる。「僕は正直若くない」と古川も自覚しているが、競争に年齢は関係ないことを強調した。「若い選手も多いですが、年齢がどうこうではないです。エナジーレベルであったり、自分のやるべきところでは負けたくない。切磋琢磨しながらみんなでレベルアップしていますが、僕は絶対に負けたくないという思いで毎日取り組んでいます」

このように代表に強い思いを抱いている古川は、東京オリンピックの試合を複雑な気持ちで見ていたという。「正直、オリンピックに出場したかったという思いは間違いなくあるので、結果として代表の一員としてコートに立てなかったというのはすごく悔しい思いがありました。もちろん、みんなの応援もしていましたが、やっぱり一員として戦いたい思いもあったので、何とも言えない気持ちはありました」

所属する秋田ノーザンハピネッツでは優れたツーウェイプレーヤーというイメージが強いが、トムコーチは「今のメンバーでシューターは古川しかいない」と語り、彼のシュート力を高く評価している。古川も「直接シューターと仰っていただいたことで、自分としても思い切ってシュートを打てています」と、その言葉に背中を押されている。

「自分のバスケットを評価してもらえて、今この場に立てていると思います。そこはポジティブにとらえていますし、自信を持ってやっていきたい」と力強く語った古川。日の丸の重みを知る彼が、再び代表のユニフォームをまとってどんなプレーを見せてくれるのかが楽しみだ。