「ディフェンスは存在していなかったし、得点も取れなかった」
レイカーズはレブロン・ジェームズを擁し、彼に過度な負担を掛けずにポストシーズンまで戦い抜くチームを編成した。ところが今のチームは、レブロン抜きでは何もできないようだ。6連敗中で、グリズリーズに敗れた際にはカール・アンソニー・タウンズが「どうしたらいいか分からない」と嘆いたティンバーウルブズに、第3クォーターに40-12のビッグクォーターを作られ、83-107の完敗を喫した。
前半を終えた時点では49-44とリードしており、試合をコントロールできていたはずだった。ところが第3クォーターに突然のブラックアウト。指揮官のフランク・ボーゲルは「チームで話し合ったが、原因は分からない。前半では良いプレーができていたが、いきなりやるべきプレーを遂行できなくなった」と、さすがにショックを受けた面持ちで語った。
意気軒昂なのはウルブズだ。第3クォーターに試合をひっくり返して84-61とし、第4クォーター開始からの3分間で、ディアンジェロ・ラッセルとタウンズのコンビネーションで快調に得点を積み上げ13-3のラン。タウンズを、そしてラッセルを、早々にベンチに戻して次の試合に備えることができた。
ウルブズの好調ぶり以上に、レイカーズの不振が際立った。第3クォーターは、結果としてウルブズが圧倒的なパフォーマンスを見せたのだが、レイカーズの拙攻があってウルブズのカウンターを浴び続けた。本来であればディフェンスで我慢して、試合の流れを変えるチャンスをうかがうのだが、その我慢強さもなかった。
アンソニー・デイビスは22得点8リバウンド2アシスト3スティール3ブロックと攻守に活躍したが、その彼でも出場した時間帯の得失点差は-16。試合後の会見では憮然とした表情で、「ディフェンスは存在していなかったし、得点も取れなかった。第3クォーターにミスをするのはこの試合に限らない。今シーズンずっとだ。12-40はひどすぎるよ」と第3クォーターの出来事を振り返る。
「この試合で一番悔しいのは、後半にエネルギーを出せなかったこと。こんなプレーをしているようじゃ優勝できない」
デイビスは続ける。「負けるのは悔しいよ。本来なら良いチームだと分かっているし、高い目標に見合った結果が出せていないからね。ただ、今は勝つために誰がどう貢献すべきか把握しきれていない。みんなが戻ってくれば素晴らしいチームになると思う。ケガ人はいるけど、だからこそ団結しなければいけない。何人か選手が欠けていても、勝つために必要な戦力は十分にあるはずだ。団結して、自分たちのやるべきことをやることが大事になる」
『団結』とデイビスは簡単に言うが、事態はそう簡単ではない。ラッセル・ウェストブルックのスピードに乗ったプレーはいまだ周囲と噛み合わない。ステイプルズ・センターでは抜群の勝負強さを発揮していたカーメロ・アンソニーの神通力が消えて、この試合ではフィールドゴール12本中成功わずか1と大ブレーキになってしまった。ケント・ベイズモアにエイドリー・ブラッドリー、ウェイン・エリントンも、試合にインパクトを与えるようなプレーはできていない。腹部を痛めているレブロンの戦線復帰でひとまずは解決するだろうが、根本的な問題を抱えたまま進む方がリスクは大きいのかもしれない。