ラマーカス・オルドリッジ

指揮官ナッシュも「ベンチユニットの基盤」と信頼を寄せる

ネッツは2日前のブルズ戦、第4クォーターを17-42と急失速したことで大敗を喫し、連勝が5でストップした。それでも、長いシーズンでは思わぬ負けを喫することもある。大事なのは敗戦からどのような教訓を得て、どう立ち直るか。それは負けた次の試合で問われる。現地11月10日のマジック戦、ネッツは123-90と快勝することで100点満点の回答を出した。

ケビン・デュラントがフィールドゴール12本中11本成功の30得点、ジェームズ・ハーデンが17得点11リバウンド11アシストのトリプル・ダブルを記録した。試合後のハーデンは「早く試合がしたかった。あの嫌な気分をプレーで払拭したかった」と語った。だが、今日の主役は『ビッグ2』ではない。ラマーカス・オルドリッジを筆頭に65得点を挙げたベンチスタートの選手たちだ。

21得点8リバウンドを記録したオルドリッジは「いつも万全の準備を心掛けている。簡単なことじゃないけど、一生懸命にやっているよ」と語る。心臓疾患で昨シーズン途中に現役引退を余儀なくされたが、療養の甲斐あってコートに戻って来た今の彼は、シックスマン賞に値する働きを見せている。先発に据えても良い活躍をしているが、指揮官のスティーブ・ナッシュは「彼のことはベンチユニットの基盤だと考えている。ケビンとジェームズ不在でローテーションを組む時、彼がまとめ役となってくれているのはありがたい」と、先発ではなくても今の彼の働きぶりを十分に評価している。

また、ディアンドレ・ベンブリーはベンチからのスタートで18分間プレーし、11得点と3アシストを記録。「今日はとにかく全員で攻め続けた。最初にリードを奪い、そのまま攻め続ければ、遅かれ早かれリードは広がっていくと思っていた。リードして迎えた後半もひたすら攻め続けられたのは、若いチームを引っ張るベテランのリーダーシップがあったからだ」と語る。

常に10点前後のリードを保つ試合展開だったが、第3クォーターの残り1分半には85-74までマジックに追い上げられていた。それでも、ここからジェボン・カーター、ベンブリー、パティ・ミルズとベンチメンバーの連続得点で突き放す。第3クォーターの最後は、ベンチでしばらく呼吸を整えてコートに戻って来たハーデンからデュラントへのアリウープ。94-75で第4クォーターを迎えた時点で勝敗はほぼ決していたが、ネッツはここでも攻守の勢いを落とすことなく29-15と圧倒した。

ハーデンは言う。「第4クォーターに見せたのが、前の試合からの成長だ。みんなには『優勝するために必要な習慣を示そう』と声を掛けた。堅実に一つずつ相手の攻撃を止めて、攻めに転じればボールを動かすんだ。みんな自信を持ってプレーし、反骨心を見せなきゃいけない試合で素晴らしい結果を残すことができた」

これでマジックは3勝9敗。勝てていないチームが、ネッツの強烈なモチベーションに晒されたのは理不尽とも言える。ただ、優勝を狙うチームがここで足踏みをするわけにはいかない。昨シーズンのネッツは破壊力はあったが、ベンチユニットまで一丸での戦いはなかなかできなかった。それはシーズン中にハーデンを始め多くの選手を獲得してメンバーの入れ替わりが激しかったからだ。今シーズンは開幕からこのメンバーでチームを成熟させていく。その覚悟を誰もが持っている。