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「モンスターのようなチームを倒す方が楽しい」

2007年にセルティックスでビッグ3(ケビン・ガーネット、ポール・ピアース、レイ・アレン)が誕生して以降、NBAで優勝するには複数のスター選手による『チーム結成』が欠かせない条件と言われている。

2010年にはヒートでレブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュという、キャリア全盛期の3選手が手を組むという新時代を迎え、今オフにはフリーエージェントのケビン・デュラントがステファン・カリー、ドレイモンド・グリーン、クレイ・トンプソンのオールスタートリオを擁するウォリアーズに加入し、NBAは本格的な『スーパーチーム』時代を迎えた。

多くの選手が優勝という悲願達成のため昨今の潮流に乗ろうとする中、トレイルブレイザーズをエースとして引っ張るデイミアン・リラードは、ラジオ番組に出演した際、「スーパーチームに加入するつもりはない」と宣言した。

「もしスーパーチームに加わりたい選手がいても、別にルールに違反しているわけではないから、そうすればいいと思うよ。だけど、より重圧がかかる中で優勝しないといけない。中には『優勝するために取った行動』と批判する人も出てくるだろう。でも、僕たちだって優勝するためにプレーしている。スーパーチームへの加入は選手の権利。でも僕はやらない。それは自分の考えではないから」

昨年、ブレイザーズと5年1億4000万ドル(約143億7900万円)もの大型契約を結んだリラードは、2020-21シーズンまでフリーエージェントにはならない。リラードはスーパーチームに加入しない理由をこうも語った。

「プライドが高すぎるのかもしれないし、自分を出せない環境を嫌がっているのかもしれない。でも、モンスターのようなチームを倒すことの方が楽しいし、快感だよ」

昨シーズンは主力が大量に離脱した状況で開幕を迎え、西カンファレンスの最下位争いをするという見方が大半を占めた中、ブレイザーズは年間44勝38敗を記録し西の5位でプレーオフに進出し、カンファレンス準決勝まで進出。レギュラーシーズン中も、年間最多勝利記録を更新したウォリアーズから1勝を挙げるなど、格上相手にアップセットをやってのけるだけの力を持っている。それもこれも、リラードの負けん気の強さがあってのことかもしれない。

ウォリアーズから金星を上げるなど、下馬評を覆しプレーオフ に進出したブレイザーズ。リラードの反骨心で新シーズンも大物食いを狙う。