第3クォーターには比江島慎が11得点と大暴れ
10月24日、宇都宮ブレックスがサンロッカーズ渋谷と対戦。昨日とは一転し、試合序盤からゴール下への積極的なアタックでリズムをつかむと、3ポイントシュート23本中12本成功と長距離砲も好調だった宇都宮のオフェンスが爆発し、96-74で圧勝した。
第1クォーター、宇都宮はティップオフ直後から激しいプレッシャーをかけターンオーバーを2回連続で奪取。これを受け、SR渋谷は開始1分でたまらずタイムアウトを取る。だが、ここからSR渋谷も渡辺竜之佑がオフェンスリバウンドからセカンドチャンスで得点するなど、ゴール下での粘り強いアタックで盛り返した。第2クォーターに入っても一進一退の攻防が続き、前半は宇都宮の39-38と互角の展開となる。
後半になると、宇都宮は比江島慎が味方のスクリーンを上手く使ってディフェンスを翻弄し、第3クォーターだけで11得点と大暴れ。さらに渡邉裕規が要所で効果的に3ポイントシュートを沈めると、SR渋谷は「第3クォーターの残り5分すぎからオフェンスが上手くいかなくて、そこから切れた感じになってしまいました」と伊佐勉ヘッドコーチが振り返るように自滅した。その結果、このクォーターはフィールドゴール15本中12本成功とほぼ完璧なオフェンスを遂行した宇都宮が、30-21とビッグクォーターを作る。
第4クォーターに入っても宇都宮の勢いは止まらない。中でも光ったのはチェイス・フィーラーで、3番起用となることで機動力を生かしたボールプッシュからのアタック、3ポイントシュートと本領発揮。フィーラーと同時起用の竹内公輔がゴール下で堅実なディフェンスを見せるなど、試合を通してフィーラー、竹内、ジョシュ・スコットのビッグラインナップがハマった宇都宮が最後まで隙を見せずに快勝した。
「エナジーレベルで渋谷さんに負けないところから入ろうと話した」
63-76で敗れた第1戦の雪辱を果たした宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは、勝因をこう語る。「昨日の反省を踏まえて戦術云々もありましたが、基本的にエナジーレベルで渋谷さんに負けないところから入ろうという話しをしました。それを今日は出せたことで、試合の流れを作ったと思います。こういう部分をベースにして千葉戦に向けてやっていきたいです」
この宇都宮らしいエナジー溢れるプレーとともに明るい材料として挙げたいのが、シーズンベストの20得点を挙げたフィーラーだ。開幕から苦しんだ時期はあったが、3番起用はがっつりハマる大きな可能性を見せた。
指揮官は語る。「僕自身もいろいろと出し方を変えようと考えました。その中で本人が今日の試合に向けて、自分の良いところを出してやろうという姿を見せたことがチームにとってプラスになります。今日が良いきっかけになると思います。チェイス本人もウチのチームで何をしなければいけないのかが、明確に見えてきていると思います」
次の試合、宇都宮は難敵の千葉ジェッツをホームで迎え撃つ。ここで引き続きフィーラーが今日のようなパフォーマンスを見せることができれば大きな起爆剤となる。そんな明るい希望を感じさせる本日の快勝劇となった。