「互いに成長できる仲間がいることにワクワクしているよ」
新生ブルズがピストンズとの開幕戦を94-88で制した。
立ち上がりはどちらもオフェンスが噛み合わず、良いシュートチャンスを作ることのできない我慢の展開に。その状況でピストンズのエース、ジェレミー・グラントにしぶとく得点を重ねられ、またセカンドユニットになるとオフェンスがさらに停滞するブルズは劣勢を強いられた。
第2クォーター序盤で9点のビハインドを背負ったブルズだが、ベンチで呼吸を整えてコートに戻って来たザック・ラビーンとニコラ・ブーチェビッチが2人で8連続得点を挙げて嫌な雰囲気を断ち切ると、後半になって歯車が噛み合う。中でも大きな武器となったのはラビーンのジャンプシュートだった。ブーチェビッチのスクリーンを受けて生まれたわずかな隙を見逃さずにミドルジャンパーを決めることで、ピストンズにギャップを意識させ、ディフェンスの乱れを誘った。第3クォーターはラビーンが7本中5本のフィールドゴール成功にフリースロー5本をすべて決める突出したパフォーマンスを見せ、31-25と打ち合いを制したブルズが逆転した。
最終クォーターにはディフェンスも噛み合う。試合のラスト7分から許した失点はわずか6。ピストンズは全くチャンスを作り出せない中でグラントがタフショットをねじ込んで猛追するが、ブルズが2点リードで迎えた残り40秒、ラビーンがグラントとの1対1でファウルをもぎ取り、ピストンズを突き放して勝負を決めた。
ラビーンは34得点7リバウンド4アシストと大活躍。ヘッドコーチのビリー・ドノバンは、チームの層が厚くなった中でもエースの貫禄を見せたラビーンをこう称える。「彼の才能はずっと前から変わらない。だけど、今の彼のプレーからは異なるメッセージが伝わってくる。オールスターに選ばれ、オリンピックでプレーした経験から、今までとは違った視点で物事を見ているんだ」
ラビーンは「昨シーズンとは違うよ。僕らは前だけを向いている」と言う。「すべてが新しいチームだし、考え方も一新された。そうして最初の試合を勝ったことに興奮しているんだ」
「いつだって努力してきたし、自信は持っているけど、今は頼もしいチームメートが一緒にいることでより自信を持ってプレーできる。互いに成長できる仲間がいることにワクワクしているよ。ここから前進していきたい」